大企業(大手メーカー)におけるエンジニア(技術者)の仕事内容を解説

大企業でのエンジニアの仕事内容が知りたいです。

大学の研究との違いも踏まえて教えてもらえませんか?

こういった要望↑ にお応えします。

私は、もともと大手メーカー(大企業)にて、エンジニア(技術者)の仕事に就いていました。

現在は家業をやっています(私のプロフィールはこちらです)。

私が当時在籍していたのは自動車部品を作るメーカーで、そこで 8年間設計・開発の部署に所属しておりました。

RYO
この記事では、私自身の経験をたっぷりと入れ込んだ、濃い内容をお話しさせて頂きます。

読んで頂ければ、大企業のエンジニアの仕事内容のイメージが湧くかと思います。

これから就職あるいは転職を考えている人の参考になればうれしいです

大企業(大手メーカー)におけるエンジニア(技術者)の仕事内容を解説

大企業(大手メーカー)におけるエンジニア(技術者)の仕事内容を解説

技術者の仕事と言っても色々なものがあります。

少しでも具体的なイメージが湧くようにまずは、以下についてお話ししますね。

●学生時代の大学院での研究と会社での技術者の仕事の違い

●大企業のエンジニアの職種とその内容

大学院での研究と大企業でのエンジニアの仕事の違い

この記事を読んで頂いている方の中には、これから就職する大学生、大学院生もいると思います。

私は、大企業に入るまでは大学、大学院と6年間工学部(機械工学)で理系畑を歩みました。

大学院では研究に従事して、修士論文を書いています。

社会に出るまでは、大学院での研究と会社の技術者の仕事がどう違うのか? 全然分かりませんでした。

大学で研究をしていると、会社に行ってからもその延長線上の仕事をするものだと、少なくとも昔の自分は思っていました。

実際には、「大学院での研究」と「会社の技術者の仕事」は違います。

まず、ざっくりと以下の点があげられます。

・大学院の研究はゴールがない場合がある

・会社の技術者の仕事には必ずゴールがある

私の大学院生時代の研究テーマは実験をすることが多かったので、実験を例に取り上げてお話ししたいと思います。

毎日データを測定してグラフにまとめて考察をする、という行為を繰り返していました。

ある条件でデータを測定し終わったら「次はここを変えたらどうなるかな? よし、測定してみよう!」という感じで研究が進んでいました。

どのような結果が出てきてもそれは知見の1つとなり得ます。

そこに、明確なゴールはありませんでした。

教授と私の興味で次の方針が決まっていたのです。

さて、会社でも技術者は実験をすることがありますが、大学院でのそれとは全然違います。

「こういうデータを取りたい」という明確な目標がありました。

メーカーなので製品に関わる実験になるわけですが、実験の対象となっている部分が満たしてほしいスペックがあるわけです。

自分の設計でそのスペックを満たすことを確認するための実験なのです。

事前に「こうなるはずだ!」という予測をもって実験に臨まなければなりません。

悪い言い方になりますが、大学院での実験のように思い付きで進めるわけには行かないのです。

様々なエンジニアの仕事

メーカーのエンジニアが携わる仕事には、たくさんの種類があります。

だいたいどこのメーカーでも研究、開発、設計、品質保証、製造の部署があります。

私がいた会社では大きなくくりとして製品ごとに事業部があり、それぞれの事業部の中に上記の部署がありました。

ただ、研究だけは1つの研究所に集約されていました。

部署

1つの製品に着目した場合、完成品にから遠い順に部署を示すと以下のようになります。

研究 < 開発 < 設計 = 品質保証 < 製造

左ほど完成品から遠く、右ほど完成品に近いところを担当するという意味です。

さて架空の話しではりますが、ある事業部でエンジンを作っているとします。
(私は、エンジンの仕事には全く関係ありませんでした。)

すると、それぞれの部署は以下のような役割を持つことになるわけです。

研究

10年後ぐらいにうまく行けば製品化できる理想的なエンジンの研究を行うことになります。

この段階では理想を追い求めており、製品化とはほど遠い状態です。

どういう製品を目指すかという理想的なスペックを掲げており、それを達成するのはかなり大変です。

トライアンドエラーの部分も多く、ほとんどのものが形にならずに終わります。

たまに上手く行くものが、将来製品化するという感じですかね。

なお、研究所は静かな田舎にある会社が多いです。私がいた会社でもそうでした。

目先のドタバタに追われるような仕事ではないので、他の職種と比べてゆったりと仕事しています。

開発

研究が全く新しいモノを作ろうとしているのに対して、開発は既存製品の大きな改良である場合が多いです。

既存の製品をベースとして、よりもスペックが高いモノを作ります。

製品にもよりますが、研究段階よりはずっと実現可能性が高いです。

1つの製品の開発期間は、だいたい 3~5年となります。

開発部は、この開発期間の間に製品の仕様を決定して、設計部に渡すまでを担当します。

この段階で既に顧客(自動車メーカー)への製品説明をして、受注(自動車に搭載するため量産が決定)している場合も多いです。

製品は細かく分割して要素ごとにスペックを掲げますが、この時点では製品設計の考え方はしっかりさせて、N1(製品サンプル1回だけ)スペックを満たせば良しとされます。

製品の図面も量産時の公差までは考慮しなくても良い段階です。

(公差が小さい理想的な状態で、成立すれば良いです。)

この時点ではまだ流動化(市場に出るところ)とは遠いですが、開発期間の後半になってくると流動化を意識しなければなりません。

流動化が近づいてきたら、その製品を設計部にバトンタッチすることになります。

*量産時の公差とは、製品を大量生産する際に生じる寸法の誤差のことです。ある部分の寸法を 10mm に設計しても、実際に作ると 10.05mm になったり、9.93mm になったりするわけです。そういうやむを得ない誤差を考慮して、図面を描く段階で 10 ± 0.1 mm のように指示します。

開発段階で作る製品のサンプルは数が少いので、お金をかけて量産段階よりも公差を小さくできます。量産時は開発時よりもどうしても公差が大きくなります。

設計

設計は量産化することが前提となっている段階で、実際に製品が市場に出るまでの業務を行います。

期間はだいたい 1~2年で、後に示す品質保証部や製造部と連携しながら仕事します。

この段階では、製品の大きな仕様の変更はできず、概ね完成していなければいけません。

図面で言えば量産時の公差を考慮に入れた、パラメーター設計をやるところです。

公差の ± の両端でスペックを満足しなければいけません。

製品の耐久試験など、いくつもパスしなければならないテストがあり 1つ1つ問題が無いことを確認して行きます。

どうしてもパスできないテストがある場合、先に書いたように仕様(製品の形状)は大きくは変えられないので、テストの試験条件を緩和することを考えて、かつ市場に出ても成立することを理屈付けします。

その上で、テストをパスしたものとします。

1つでもテストをパスできないと流動させることはできません。

ギア

品質保証

品質保証部は、設計部が作り上げた製品の品質に問題が無いか、厳しい目線で確認することが役割です。

先に示した製品のテストを品質規格といい、それを設計とともに作り上げ1つ1つテストして行きます。

また、製造部が作る製造ラインに問題が無いか、確認することも品質保証部の役割です。

工程チェックという製造ラインのチェックの方法があり、それに則って確認して行きます。

製造

製品を量産するための製造ラインの設計をして、実際にラインを作り上げて機能させることが役割です。

設計部が作成した図面通りのモノを量産化して、市場に送り出します。

設計部と連携しながら仕事を進めます。設計の段階で実際に大量生産できるモノなのか否かを判断しフィードバックするためです。

コストを最小限に抑えることを常に追求し、製造ラインで作業を機械化する部分、人手を使う部分など綿密なライン設計を行います。

また、市場に出した製品に不具合があっては困るので、製造ライン上で検査も行います。

製品のステージ

1つの製品に着目した場合、部署をバトンタッチして行きます。

イメージ的には机上の空論からだんだんと製品に近づいて行く感じです。

製品化の流れ

自分が大企業で経験した開発・設計の仕事内容

自分が経験した開発・設計の仕事内容

さて、冒頭に書きましたように私自身は大手メーカーに8年間在籍し、開発と設計を経験しました。

私が経験した仕事内容についてお話しさせて頂きますね。

なお、私が携わっていた製品は開発と設計を同じ部署で担当しており、両方とも仕事内容が近かったので開発・設計ひとくくりでお話しさせて頂きたいと思います。

大学・大学院で学ぶこととの思考の違い

学生時代、〇〇力学という科目をいくつも勉強しました。

当時は、そこで習ったことの延長線上で仕事をすると思っていました。

確かに会社の技術者も〇〇力学の教科書を見て、物理の公式を使ったりすることはあります。

しかし、学生時代とは使い方が違うんですよね。そして、それが学生と技術者の思考の違いになるわけなんですよ。

以下に、材料力学の範囲の問題を示して、思考の違いを説明したいと思います

学生時代の思考

以下のように、材質が炭素鋼 S55C の丸棒があります。

丸棒の直径は 15mm、長さは 250mm、引張強度は 749 N/m2 だったとします。

丸棒に引張の力を加えていった場合、何 Nm で破断するでしょうか?

学生の視点

工学部の方なら、分かると思います。以下の式を使います。

式1

上記の式より破断力は以下のように計算できます。

式2

答えは 132292(Nm) となるわけです。

大学の教科書によく力が何 Nm になるかか? 求めさせる問題ってありますよね。

技術者の思考

さて、次は技術者の思考についてお話ししますね。

同様に以下のように、材質が炭素鋼 S55C の丸棒があります。

丸棒の長さは 250mm、引張強度は 749 N/m2 だったとします。

丸棒に132292Nm の引張力が加わる場合に、破断しないようにするためには直径を何mm より大きく設計する必要があるでしょうか?

技術者の思考

使う式は以下です。先と違い不等号が入ります。

式3

上記の式より以下のように計算できます。

式4

答えは「15(mm)より大きく」となるわけです。

さて、こちらの問題の場合は力ではなく寸法を聞いていますよね?

技術者の視点で見ると、このように式を使うことが多いわけです。

製品が置かれる環境によって、加わる外力(上記の問題の場合、引張力)は決まってきます。

その外力が加わる状態で、持ちこたえれる製品設計をしなければなりません。

それが製品のスペックとなります。

そして、スペックを満たす製品の形状、すなわち寸法を決めることになるわけです。

製品が置かれる環境には外力だけではなく、熱、腐食などもあります。

製品が置かれる環境から決まる様々なスペックがあり、それを満たすように設計をするわけです。

身に付けるべき技術

入社して若いうちは、とにかく技術力を身に付けなければいけません。

技術にどのようなものがあるか、お話ししますね。

実験

実験は、基本的には設計した製品がスペックを満たすことを確認するために行います。

また、何かの特性を調べるために行うこともあります。

製品を要素に分解して、その部分のテストピースを作って実験することもあります。

実験を実施するときにはあらかじめ、実験計画書を作って手順や測定条件を決めておきます。

そして、どのような結果が出るか予測した上で実験にのぞむことが求められました。

準備が大事なのです。

実験中はデータを測定しながら、結果をグラフに描くようにした方が良いです。

そうすると、結果を目視で確かめながら進めれるので、予測を大きく外れるような異常値に気付くことができますし、

また、考えながら実験することができるのです。

実験は、常に自分自身がやるのではなく、作業員の人に依頼することもあります。

入社してからの年数が経てば経つほど、自分は実験現場から離れて依頼することばかりになります。

ただ、作業員に頼む際にも自分自身に経験が無いと感覚が分かりません。

絶対に経験は必要なのです。

作業員の人が、実験室から相談の電話をしてきたら状況を聞きながら次の指示を出せるようにならなければなりません。

実験装置

図面作成

CAD を使って図面を描くこともします。

製品の設計はスペックを満たせるようにするために、計算・シミュレーションを行った上で決めます。

図面は、このようにして決めた設計を実際に形にする作業です。

図面は厳格なルールが定められており、はっきり言って細かいです。

製品の設計の考え方を理解した上で、自分が手を動かして図面も描ければ、一貫して携わることになりかなり力が付きます。

ただ、私がいた部署では図面の製図は請負の人に依頼することが多かったです。

社員の仕事はどうしても考えるところが中心になるので、作業的なところは依頼することが多くなるのです(実験と同じく)。

特に入社してから年数が経つほどそうなって行きます。

ただ、実験と同じくこれもしっかりと経験を積んでおくべきものです。

その上で人に任せた方が良いと感じていました。

シミュレーション

私が担当していた製品では、形状を決める上で応力解析を行う必要がありました。

そのときには FEM 解析という手法を使っていました。

そして、FEM 解析の結果で形状を決めて実際に問題がないか確認するためにテストピースを作って実験していました。

シミュレーションというのは、この FEM 解析やその他の方法を使った計算のことです。

机上計算と言っていいでしょう。

開発・設計業務では必ず必要なことです。

プログラミング

プログラミング

私は機械系の開発・設計を担当していたので、機会は少なかったですがプログラミングもやりました。

主に使ったのは C言語と FORTRAN です。

たまに Excel でデータ整理する際に、Excel VBA も使いました。

これらのプログラミング言語は IT 系の製品を扱う部署だと、かなり使用頻度は高いと思います。

ただ、どっぷりプログラミングを使ってコーディングするのは、やはり請負の人になります。

社員はどのようにコーディングをするか、考えることが仕事になります。

FMEA・FTAなどの手法

FMEA・FTA といった手法を使うこともありました。

FMEA とは Failure Mode and Effect Analysis の略で、故障モード影響解析のことです。

製品を既存のものから仕様変更する場合、その変更によって起こり得る故障を懸念点として洗い出します

そして、その想定される故障が起こらないように設計をします。

製品が市場に出た後のことを考えて、不具合を事前に潰しこむための手法ですね。

一方 FTA というのは Fault Tree Analysis の略で、故障の木解析のことです。

製品の不具合が生じたときに、考えられる不具合の原因を洗い出してさらに深堀りします。

そして、出てきた原因の中から真の原因をはっきりさせます。

FMEA と違い、製品が市場に出て不具合を起こしてしまったときの原因究明の手法ですね。

FMEA・FTA の考え方は、技術系の職場以外でも取り入れることができると考えます。

経営の判断をするときには FMEA、経営上の失敗の原因究明には FTA が使えるでしょう。

このように、様々に応用できる便利な手法です。

英語力

海外とのやり取りが多い仕事をする人は英語も使います。私も多く経験しました。

どのように使うかと言うと、以下のような感じです。

●海外拠点のローカルスタッフと英語のメールでやり取りをする

●海外メーカーへのプレゼン向けに英語の資料(パワーポイント)を作成する

●海外拠点との電話会議で英語でやり取りする

英語も資料の英文化などは、派遣社員の人にお願いすることもできました。

なお、係長、課長、次長と役職に就くために、最低限満たしていなければならない TOEIC の点数が存在しました。
(本当に最低限の点数なので、それほど高くはありませんでしたが。)

ただ、英語がすごく得意で例えば TOEIC の点数が 800点を超えている人でも出世が順調に行くとは限りません。

分からないことは人に聞くこと

技術を身に着ける上で大事なことがいくつかあります。

まず、1つ目として分からないことは人に聞くことが大事です。

教科書をどれだけ調べても、最新の開発・設計に関することは載っていません。

部署の内外に、その分野に詳しい人が必ずいるので、足を運んで聞くことは必要です。

すぐに聞けるような関係を作っておくことも大事でしょう。

コミュニケーションを取りながら新しいことを吸収していくのがエンジニアの仕事なので。

2つ目として、自分の仕事に直接関係ないことでも、他人の話しを聞くことが大事です。

会議などで、自分に関係あるところ以外はスルーしがちですが、何でも技術的な話しが出て来たらよく聞いておいた方が良いです。

よく分からなくても構いません。完全に理解する必要はありません。

積極的に情報に耳を傾けることで、ある日点と点が繋がって色んなことが分かるようになったりまします。

そして今は自分の仕事に関係がないことでも、後々携わることになったときには下地が出来上がっていたりします、

こういう意識を持っている人と持っていない人で、年数重ねるとすごい差が出るものです。

技術力という意味での社員の位置付け

大企業の社員は、上記のように様々な技術力を身に付けます。

ただ、後に書きますが社員は自分の仕事を動かすためのマネジメント的な仕事もしなければなりません。

マネジメントしつつ、関係するすべての技術にも関わらなければならない立場です。

実験も図面もプログラミングも全部やるけど、どっぷりとそれに浸かってはいられません。

実験には実験のプロ、図面には図面のプロがいるわけです。作業員、請負、派遣といった人々です。

こういう人々を上手く使いながら仕事を進めていくこと。

ドラクエで言えば、社員は勇者みたいなものなのですよ。

剣も魔法も使えるけど、剣にはプロである戦士がいて、魔法にはプロである魔法使いがいる。

勇者は何でもできるけど、周囲のプロの力も存分に借りますよね。

大企業の社員もそれと同じなのです。

会議体

会議体

大企業、特にメーカーは会議が多いです。

会議を通して徐々に、いいモノができ上がっていくとも言えます。

個人的には無駄な会議もあったように感じていますが、まぁそこは置いておいてどのような会議があるか主なものをお話ししますね。

開発・設計の立場です。

一般の社内打合せ

社内での打合せは頻繁にあります。

・課の中での情報共有
・部署内の他の課との打合せ
・他部署との連携のための打合せ
・専門部署に教えてもらうための打合せ

こういった打合せがほぼ毎日入っていました。

自分が開催する打合せ、他人から呼ばれる打合せなど色々ありますが、1つ言えるのは

打合せは何を決めるかがはっきりしていなければならない

ということです。

打合せは、自分ひとりでは決定できないことに直面した時に、他の人の協力を得るために行うものです。

自分が開催するときには、決めるべきことをちゃんと決めれるように事前にしっかりと準備しなければいけません。

DR(デザインレビュー)

DR とはデザインレビューのことです。

言葉のとおり、デザインをレビューすること。

つまり、製品の仕様とでき具合、今後のことを偉い人達の前で説明して指摘を受ける場です。

開発・設計のスケジュールではマイルストーンがあり、節目節目で DR を開催します。

そして、DR で偉い人の了承を得られないと次のステップに進めないようになっています。

最終的にすべての DR をパスしないと製品を市場に流せないのです。

難易度が高い製品の DR だと、現状のでき具合が望ましくない場合があり、ボコボコに指摘を受けることが多いです。

ある意味、日々の仕事はこの DR を乗り切るためにやっているとも言えるでしょう。

品質保証会議

品質保証会議は、品質保証部とともに行う会議です。

主に品質保証に関する部分について、製品のでき具合を偉い人達の前で報告して指摘を受ける場です。

DR と似ていますが、耐久試験など品質保証の面に重点を置いた内容であり、審査する人も品質に詳しい人間になります。

出張

出張はわりとよくあります。

私の場合、多かったのは近くにある自動車メーカーへの出張でした。

そのメーカー向けの製品に携わっていた時期は月に何回か行っていました。

報告内容は製品の仕様と設計・開発の進捗状況です。

社内の DR ほどは詳しい内容を報告はしませんが、顧客への報告なので当然手は抜けません。

かなり鋭い指摘を受けることも多く、毎回報告の度に宿題を貰っていました。

他にも、出張と言えば、ある実験設備を使うために同じ会社の北海道の事業所に行ったことも何回かあります。

日頃の本社の喧騒から離れて、落ち着いて仕事ができました。

また海外への出張も何回か経験しました。日頃海外の拠点とメールや電話会議でやり取りをしていましたが、実際に現地まで行くとまた全然違ったものが見えるものだと感じました。

出張は大変ですが、夜は町に出て地域の文化とグルメを堪能できました。

そういった楽しみをモチベーションにしている人も私を含めてけっこういました。

マネジメント力

さて、大企業の技術者として大事なこととして、技術力以外にマネジメント力があります。

大企業においては、ある意味技術力以上にマネジメント力を求められると言ってもいいと思います。

課長、次長と役職が上になると、実験、図面作成、プログラミングなどの技術の現場に立つことは無くなります

仕事は部下のマネジメントばかりになります。

また、若い時にもマネジメント力は大事になります。

なぜかと言えば、大企業の仕事は規模が大きいので請負業者や下請業者を上手に使って仕事しなければならないからです。

自分の仕事の計画を立てて、その遂行のために請負業者や下請業者を動かしてフォローするという、正にマネジメント業務です。

ですので、大企業で勤めたい人はマネジメントの経験をしておくと良いと思います。

マネジメントと言っても、例えば学生のサークルで運営者をやるとか、バイトのリーダーをやるとかで良いでしょう。

そういう経験があると無いとでは、入社後にだいぶ違います。

また、入社の採用面接でマネジメントの経験があること自体がアピールポイントになることでしょう。

上司の使い方

上司を上手く使うことも大事です。

上司を使うって、上司からは使われるんじゃないの? って思うかも知れません。

確かにその通りです。指揮命令を上司から受けて仕事をするのがサラリーマンです。

ただ、降りてきた自分の仕事を遂行する上で、必ず上司の力が必要になることがあるのです。

そのことを考慮した上で、どこで上司に出てもらうか? ということを考えます。

例えば、他部署と重要なことを決める会議を開催する場合、とても自分ひとりでは判断できませんので上司に出てもらう必要があるわけです。

決めてもらうための材料を揃えるというお膳立てはしっかり自分がやった上で、大事なところを判断して決めてもらわなければなりません

また、例えば外部に何か依頼する際に、自分が出向いてもどうにもならなかったことでも、上司が出向くとあっさり何とかしてもらえることはけっこうあるものです。

課長、次長、部長と事が大きくなるに連れて、上位の役職の人間の力が必要になります。

自分の仕事のどこで上司を使うか、それを考えることもある意味マネジメント力と言えます。

上司は上手く使うべきです。

上司と部下

まとめ

大手メーカー(大企業)での技術者(エンジニア)の仕事についてお話ししました。

大企業には技術者の仕事の中にも、研究、開発、設計、品質保証、製造と様々な部署があります。

技術者なので当然技術に関する仕事をやりますが、マネジメント力も重要です。

技術者として大企業を希望している学生の方、あるいはこれから大企業への転職を考えている方は、1つの参考として頂ければと思います。

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