私は8年間、大企業(大手メーカー)でエンジニアの仕事に就いていました。
当然と言えば当然ですが、エンジニアは技術(スキル)を身に付けなければいけません!
シビアですが、技術を持っていないエンジニアとは誰も話しをしたくないのです。
人間的にいい人とか、そういう問題ではなく会社は仕事をする場所です。
大企業では個々人の専門性がアイデンティティであり、エンジニアのアイデンティティは技術なのです。
エンジニアは認められたければ技術を身に付けましょう!
今日は、私が大企業でエンジニアをやっていた頃のエピソードをお話しします。
大手メーカー(大企業)における技術者(エンジニア)の仕事内容を解説
シミュレーションと実験、大企業(メーカー)のエンジニアの仕事
目次
大企業のエンジニアは技術(スキル)を身に付けよ!無理なら辞めるべき!
エンジニアである以上、技術を身に付けないととても惨めな思いをすることがあるということを覚えておいて頂きたいです。
私は大手メーカーに入社後2年目から、とある要素技術についての開発を担当していました。
ネジを応用した技術です。
私がいた課の担当製品は A というパーツと B というパーツを合体させて成り立つものでした。
私はそのAとBを合体させるための、要素技術の1つを担当していました。
そして、A パーツは他の会社、B パーツは同じ部署の他の課が担当していました。
私は 2つのパーツを合体させるために、両方の担当者と形状、寸法など様々な調整をしなければならない立場でした。
まだ若かった私は中途半端な技術しか身に付けておらず、やがてそれがトラブルに繋がるのでした。
自分の技術(スキル)がないことによってトラブルは起こった
B パーツの担当者は技術力が非常に高かったのですが、A パーツの担当者はそれほどでもありませんでした。
さて、私は日々 A パーツの担当者と B パーツの担当者の間に入り業務の調整を行なっていたわけですが、ある日トラブルが起こったのです。
A パーツの担当者が私に対して、B パーツの担当者に無理をさせるような要求をしてきたのです。
簡単に言えば「B パーツの強度を劇的に上げてくれ!」というもの。
そんなの到底不可能な要求でした。あまり技術力が高くない A パーツの担当者はそれが分からなかったのです。
当時の私も入社して数年だったので、技術力は高くありませんでした。
ここで私はあろうことか、A パーツの担当者の無茶な要求をそのまま B パーツの担当者に横流しにしてしまったのです。
本来であれば、要求を受けた時点で私が断らなければならない内容でした。
それを聞いた B パーツの担当者は私に対してブチギレ
「ふざけるな!」
「言いなりになるんじゃねぇ!」
「自分の考えをしっかり持て!」
と、私はほぼ罵倒に近い叱責を受けたのでした。
技術(スキル)のない私のことをテキトーにあしらうようになった課長
その時から、B パーツの担当者(課長)はわたしのことをテキトーにあしらうようになりました。
調整業務のために話しに行っても、まともに取り合おうとしません。
席の横に話しに行ってもひどいときは私の目を見ようともしませんでした。
そんな状態では私の仕事も進みません。
私も他に担当業務がいくつもあったので、そっちの方にばかり力を入れるようになりました。
ただそうは言っても、その A パーツと B パーツ合体させる業務を全く何もやらないわけにはいかないので、たまに打合せをして事態を前に進めようと試みました。
それでも、B パーツの担当者は私の言うこと一言一言にダメ出しをしてきます。しかも根底を否定するような言い方。
技術の話しをしてはいるのですが、根本的に私を相手にする気がないのが見て取れるのです。
私も頭にきて、本気でその人のことを嫌いになりました。大きなストレスになっていました。
当時の私の上司の課長はとても頼りない人でした。
こちらの記事に出てくる人です ↓
私は自分の力で何とかするしかない状況だったのです。
技術(スキル)を真剣に勉強してレベルアップしたら相手の態度は変わる
正に泥沼状態でしたが、私はストレスをかかえながらもどうすれば物事が進むか? 考えるようになりました。
そして、あることに気付いたのです。
それは、いつも打合せのときに私が説明を始めると途中でその人のダメ出しが始まり
「お前は何も考えていない」と言われる点でした。
オレが自分の考えを持っていない?
ふざけんな!! 俺はいつもしっかり考えてるんだよっ!!
って若かった自分はすぐにそう思ってしまっていましたが、その人の言うことの意味をよく考えてみることにしたのです。
自分の考えとはどういう意味か?
私は指摘されていることの意味がよく分からなかったのでどうすれば理解できるか考えた結果、その人(B パーツの担当者)が作った資料をその人の部下から入手して目を通すことにしました。
戦うために大事なことは、敵を知ること!
彼の作った資料を見れば、言われたことの意味が分かるかも知れないと思ったのです。
じっくり資料を見たら目からウロコでした。エンジニア(技術者)の世界での「考えるということ」とはこういうことなのか!
というのがよく分かりました。
悔しかったですが、その資料はとても理路整然と思考が整理されていたのでした。
こういう資料を作れるように技術を身につければいいんだということが分かり、その後はそれを意識しながら仕事をするようになりました。
打合せをしても、その人の言っていることの意味がだんだん理解できるようになってきました。
そうして、少しずつ技術を身につけていったある日、喫煙室でタバコを吸っている時にその人が入ってきました。
いつも喫煙室で2人でいる時さえも話しをしなかったのですが、なんとその人の方から私に話しかけてきたのです。
「前に打合せで言ってた〇〇だけどさぁ・・・」
自分は明らかに嫌われてると思っていたので、凄く意外でした。
その時以来、もまともに話しをしてくれました。
いったい何が起こってしまったのか??
不思議だったのですが、それは私が技術を身につけてレベルが上がったからに他ならなかったのです。
その人が認めるレベルにまで成長したということだったのです。
今思えば、接し方が極端な人でしたが、その人が私に言いたかったことの本当の意味が分かったのです。
●自分の頭でしっかり考えて一人前のエンジニアになれ!!
ということをその人は言いたかったのだと思います。
彼は生粋の技術者だったのです。
少し変わった人ではありましたが、技術を身につけることで自分がその人から認められたのでした。
専門性を身に付けることの大事さ
技術に限らず、ビジネスにおいては自分の専門を身につけなければなりません。
●営業部であれば営業のプロ
●人事部であれば人事のプロ
その分野の専門性を持っていない人とは話したくないと思われても仕方がないのです。
私のように実際に全く相手にされない経験をすることは稀かも知れませんが、そういう扱いを受けても仕方ないくらいの気持ちでいなければいけません。
当たり前ですが、ビジネスの世界は厳しいのです。
まとめ
エンジニアと話しをしたければ技術を身につけなければなりません。
入社したての技術者だと戸惑うことも多いと思います。
技術がないエンジニアとは誰も話しをしたくないのです。
エンジニアは認められたければ、自分が技術を身に付ける以外に道はありません。
どんな分野でも専門性をしっかりと身に付けるようにしましょう!
シミュレーションと実験、大企業(メーカー)のエンジニアの仕事