大企業ではスキルはつかないは本当か? 大手メーカーのエンジニアの場合

「大企業ではスキルが身につかない」と、聞いたことがあるのですが本当ですか?

こういった疑問にお答えします。

私は、大手メーカーで8年間エンジニア(技術者)を経験しました。

自分自身の経験と、同期、先輩、上司など色々な人を見てきましたし、学生時代の友人の多くも大企業に就職して行きましたので、大企業のことはよく分かっています。

この記事では、大手メーカーのエンジニアという前提で

「大企業ではスキルはつかない」は本当か?

についてお話ししたいと思います。

結論から言いますと

RYO
外でも通じるようなスキルはつきにくい

と言えます。

大企業ではスキルはつかないは本当か? 大手メーカーのエンジニアの場合

大企業ではスキルはつかないは本当か?

大手メーカーのエンジニアの仕事の特徴・基本的にはジェネラリスト

大手メーカーのエンジニアの仕事内容について、こちらの記事 ↓に詳しく書きました。

大手メーカーの従業員は、世界一シェアの製品に携わることができます。

ですので、スキルが身につかないということはありません。

ただ、外でも通じるようなスキルはつきにくいです。

なぜかと言えば、基本的に大企業のエンジニアはジェネラリストだからです。

設計・開発の部署であれば様々な技術に携わります。

・図面作図
・シミュレーション
・プログラミング

しかし、これら個々のスキルにどっぷり浸かることはありません。

図面作成やプログラミングにどっぷりつかるのは、派遣や外注の人です。

社員は派遣や外注の人を使いながら、バランスよく全ての技術に関わることになります。

どうしてもマネジメント的な要素が強くなるのです。

それがジェネラリストであるということです。

ですので、ずっと同じ社内にいるのであれば、年数を積めば積むほど担当している製品に詳しくなるし右に出る者がいないくらいの存在になれるかも知れません。

しかし、それはその会社の製品ありきのはなしなのです。

よその会社だとメーカーであってもまた扱う製品が違いますよね。そうなると、つぶしが効くものではないのです。

どこでも通じるようなスキルというのは、先にも書きましたように何か突き出たものになります。

CAD で描く図面のことなら何でも知っているとか、C言語のプログラミングならどんなものでも書けるとか。

専門部署ならどこでも通じるスキルが身につく

さて、先に書きましたように大企業のエンジニアの大多数はジェネラリストです。

ただ、数は少ないですが専門的なスキルが身につく部署もあります。

例えば、材料の専門家集団の部署などがそうです。

・鉄材ならこの人
・ゴム材ならこの人
・オイルならこの人

というように、個々人が何かの専門家という位置づけになっているような部署もありました。

他には、知的財産部であれば特許の明細を作り上げるプロ集団です。

あと例えば、基礎技術の研究をやっているような部署などであれば、何かの深い専門技術を身に付けることができるでしょう。

営業など他の仕事はどうか?

営業など他の仕事はどうか?

さて、私は開発・設計エンジニアだったので技術系の職場での話しをしましたが、他の部署はどうか?

という疑問も湧いてくるかと思います。

自分が大企業で見てきたもの、現在零細企業で見ているものから考えるとやはり他の仕事であっても

大企業では、外でも通じるようなスキルはつきにくい

と考えます。

例えば、営業について言いますと、大企業の営業というのは新規の顧客を獲得するということは滅多にありません。

あったとしても、役員クラスの人間が動く話しなので、一般の従業員には関係がないです。

一般の従業員の仕事は何かというと、既存顧客との関係維持です。

顧客に製品を提供するに当たり、顧客が自社含めて何社かを競わせるコンペをするということがあるので、そこを勝ち抜くための試行錯誤という面では、鍛えられるものはあるでしょう。

ただ、あるコンペが取れなかったとしても、そこで顧客との関係が途切れるということはありません。次のコンペのチャンスがあります。

顧客が離れていくということはなく、ずっと一緒に仕事を続けて行きます。

どうしても、世間一般でいう営業のイメージとはかけ離れています。

中小・零細企業の営業であれば、まず会社のネームバリューという後ろ盾がありません。

新規顧客獲得のために、動かなければならない場合も多いでしょう。

本人の営業力がもろに結果に出てきます。

大企業の人間が、そういう世界に行って自分の経験を活かせるようには思えません。

どこでも通じるスキルを身につける方法

どこでも通じるスキルを身につける方法

さて、私が何回もいうどこでも通じるスキルというのは、汎用性の高いスキルという意味になります。

そういうスキルを身に付けるにはどうすれば良いか書いてみます。

専門部署で働く

先に書いたような専門部署で働くことです。

何か特定の技術のスペシャリストになれるからです。

ただ、これは部署異動の希望がなかなか通りにくいなどの壁があると思います。

派遣社員になる

派遣社員になれば、何かのスキルが身につく可能性が高いです。

派遣社員は1つのスキルを武器に戦う立場だからです。

・CAD
・プログラミング
・テスト

ただ、大企業を辞めてまで派遣社員になるとなれば、スキルを身につけた後独立するなどの明確な目的が必要でしょう。

資格を取る

国家資格を取るのも1つの手でしょう。

技術者であれば、弁理士や技術士などがそれに該当します。

資格の勉強を通して一定の専門知識が身につきますし、難関資格であればそれなりに評価してもらえます。

ただ、それも資格をどう活かすか考えてから取得した方が良いです。

弁理士の資格を取って特許事務所に転職するとか、技術士になって独立するとか。

中小・零細企業に転職する

何か1つのことを専門的にやっている中小・零細企業に転職するというのは手でしょう。

会社をしっかり選ぶことは大事ですが、技術がしっかりした会社であれば小さい会社の方が専門的な分野に関わりやすいです。

まとめ

「大企業ではスキルはつかない」は本当か?

についてお話ししました。

外でも通じるようなスキルはつきにくいです。

ですので、将来独立を考えているような人であれば、何か外でも通じるスキルを身に付ける必要があります。

そういう思考の方は

・専門部署への異動を希望する
・派遣社員になる
・資格を取る
・中小・零細企業に転職する

など考えてみることをおススメします。