36(さぶろぐ)協定によって決められています。
与えられた残業時間が足りないときは、実際よりも労働時間を少なくみせかけていました。
今はどうか知りません。
私は、大企業(大手メーカー)で8年間、エンジニアとして勤めた経験があります。
最初に言っておきますと、私は残業しまくる忙しい状態を格好いいことだとは思っていません。
こちらの記事↓ にも書きました
それでも、望まずとも残業しなければならないことはありました。
残業時間には制限があるので、所定の時間以上はできません。
しかし、いけないことなので真似をしてほしくはないのですが、皆「残業時間」をうまくごまかしていたのです。
目次
大企業での残業時間のごまかし、本当は36協定により残業できない
36協定は、労働基準法36条に基づく労使協定で、これに基づいてサラリーマンの一ヶ月間の残業時間には制限が設けられています。
(詳しくは後でお話しします。)
もう何年も前のはなしですけどね。
月末が近くなると、一ヶ月の所定の残業時間で足りそうかどうか? 分かります。
残業時間が足りないと思うと、1日の残業時間を実際よりも少なく見せかけるのです。
例えば、実際には3時間働いたけど、記録上は2時間しか働いていないことにするとか。
大企業だと、従業員の労働時間はきっちり記録されます。
私がいた会社では、入門・退門の際に、ICカード入りの従業員証を機器にかざすことで入門時間・退門時間が記録され、
また、従業員各自が業務の開始時間・終了時間をPC上で自己申請することになっていました。
自己申請する業務の開始・終了時間で残業時間が判断されました。
さて、この仕組みでは入門時間と開始時間に30分以上の乖離がある場合には、「開始時間が間違っている」として翌日訂正を求められるのです。
例えば、入門時間が 8:12 なのに、開始時間が 8:55 になっている場合などです。
終了時間と退門時間も同じです。
このように、仕組み上残業時間のごまかしはしにくいようにしているのです。
組合がしっかりしているので、会社にサービス残業はさせまいとして働きかけて作られた二重管理の仕組みですね。
このような状況の中で、残業時間をごまかすために、以下のような抜け道を使っていました。
●出社時に門以外のところから会社に入る
●一度退門してから再度会社に入る
入門時間・退門時間をごまかすのです。
社員証を忘れたことにする :残業時間ごまかし①
社員証が無いと、入門・退門のときに機器にかざすことができないので、入門時間・退門時間が記録されませんでした。
その場合、後日紙に書いて入門・退門時間を自己申請することになります。
この自己申請できるというのがポイントでした。
さて、もともとが自己申請の開始時間は実際よりも遅めの嘘の時間を申請し、逆に終了時間は早めの嘘の時間申請しておきます。
そして、さらに後から嘘の入門時間・退門時間を申請するのです。
開始時間・終了時間と30分以上乖離が出ないように。
実際はもっと入門時間が早く、退門時間が遅いのです。
こうしておけば、ごまかした時間の分だけ長く働けるわけです。
これが当時、私がいた会社での一番オーソドックスな残業時間のごまかし方でした。
出社時に門以外のところから会社に入る :残業時間ごまかし②
他には、出社時に門を通らないということをやったこともあります。
会社の敷地の塀を飛び越えるのです。
門を通らないと時間の記録が残らないので、まぁやっていることは「社員証を忘れたことにするのと同じ」ことで、後から入門時間を自己申請することになります。
異常に朝早く出社(4時代とか)した場合など、普通に門を通るのもおかしい時間なので塀の飛び越えで会社に入っていました。
一度退門してから再度会社に入る :残業時間ごまかし③
退門すると時間が記録されます。
一度早めに退門してから、もう一回塀を飛び越えて会社に戻るということもやったことがあります。
残業が終わったら、再び塀を飛び越えて帰ります。
残業時間に関係する「36協定」とは何か?
36(さぶろく)協定とは、労働基準法36条に基づく労使協定です。
平日の時間外労働と休日労働の両方について、定められています。
法定の労働時間
法定の労働時間は 1日8時間、週40時間です。
平日のみの労働が前提です。
私がいた会社では、始業 8:40、終業17:40、休憩1時間で8時間労働というのが基本でした。
(フレックス制だったので時間をずらすことはできました。)
36協定届による原則的な時間外労働
法定の労働時間を超える場合(つまり従業員に時間外労働をさせる場合)には、企業は労働基準監督署への届出が必要になります。
これを「36協定届」と言います。
平日の時間外労働とは、つまり残業のことですね。
残業時間の上限は、原則として1ケ月45時間・1年間360時間(休日を含まない)です。
特別条項付きの36協定届による時間外労働
そして、従業員にさらに残業をさせる場合には「特別条項付きの36協定届」の提出が必要になります。
これを提出すれば、やむを得ないときには、例外的に45時間を超える残業をしてもよいということになります。
残業時間が1ヶ月45時間を超えていい回数は1年間で6回以内と決まっています。
また、特別条項で定めることのできる1年間の残業時間の上限は 720時間(休日を含まない)です。
「時間外労働 + 休日労働」の上限
「時間外労働 + 休日労働」についても以下の条件があります。
●月100時間未満
●2~6か月平均80時間以内
残業時間のごまかしは36協定を守っているように見せるため
私が会社にいたときは、36協定を守るように月45時間残業と月70時間残業を繰り返す時期がありました。
与えられた残業時間を超えそうなときに、先に書いたごまかしをやっていたわけです。
よくありませんけどね。
まとめ
私が大企業にいた時期に、周りが皆やっていた残業時間のごまかし方を悪い見本としてお話ししました。
やめましょう!
やめましょうね、こういうことは。
今はもうそういうことをやっている企業は少ないとは思いますが。
当時の悪しき思い出でした。