大企業(大手メーカー)の役員の仕事内容

大企業の役員って、どういう仕事してるんだろう?

こういった疑問↑ にお答えします。

私は、大企業(大手メーカー)で8年間、ホワイトカラーのエンジニアとして勤めた経験があります。

間近で役員(←取締役のこと、以後「役員」と呼びます)の人々の仕事を見聞きしてきました。直接関わったこともあります。

大企業において、いわゆるマネージャーの立場だと自分の担当業務は持たずに、チーム全体の管理業務を行います。

RYO
役員ともなれば、1つの事業部を束ねる立場なので、相当に管理する範囲が広いです。

この記事では、大企業(大手メーカー)の役員の仕事内容についてお話しします!

将来役員になりたい! などの野心を抱いている方は必見です!

大企業(大手メーカー)の役員の仕事内容

大企業(大手メーカー)の役員の仕事内容

役員の予定は常にぎっしり

役員の予定を確保しようと思ったら、かなり早くから押さえないと厳しいです。

予定は 1ヶ月くらい先までぎっしりと詰まっているからです。

社内のネットで役員の予定表を見ることができたので、たまに興味本位で見てみると本当に日々15分単位で予定が入っていました。

決めることが役員の仕事

毎日毎日、部下から業績を左右し得る問題の報告を受けています。

そして、次にどう動けば良いか指示を出しています。

下では判断できないことを決めるのが役員の仕事なのです。

1つの案件につき、1ヶ月に1回くらいしか報告を受けない場合が多いですが、それでも前回の報告内容をしっかり覚えているのです。

記憶力がずば抜けていい人が多いですね。

短い時間で状況を理解して的確な指示を出す

これ↑ を一日に何回もこなすから凄いです。

常にやばい仕事に関わっている

役員が関わる仕事は、火が付いて爆発寸前のものが多いです。

常にやばいことと関わっているのです。

順調に行っていることに役員の出番はありません。

会社の業績を左右し得る問題に常に向き合い、社内外で役員にしかできない調整業務を行っているのです。

時には顧客の重役に頭を下げ、また時には下請企業の重役に圧力をかけたりと、一般の従業員が分からないところで動いています。

プライベートのゴルフも仕事のうち

顧客と週末にゴルフに行くこともあるようですが、私がいたメーカーでは「グリーン会議」などと呼ばれていました。

ラウンドを回りながら仕事の話しをするようです。

そして、そこで重要な情報を入手することも多いようです。

ゴルフをやらないと仕事にならない、とすら言えるでしょう。

他にも休日に、社内奉仕的なことをやっています。

私が知っている役員の方は、社内のバレーボールチームの顧問をやっており、週末に試合があるときにはいつも奥さんと一緒に観戦に行っていました。

一般の従業員と比べて、仕事とプライベートの境目は曖昧です。

大企業(大手メーカー)で役員が「マネージャー」 から「プレイヤー」になるとき

大企業(大手メーカー)で役員が「マネージャー」 から「プレイヤー」になるとき

プラスαでお話ししておきたいこととして、役員が「マネージャー」から「プレイヤー」になるときというのがあります。

まず、大手メーカーのエンジニアは設計室で図面を描くこともありますし、実験室で実験を行うこともあります。

その他に会議の資料や客先への報告資料を作成することもあります。

いわゆるプレイヤーとしての仕事ですね。

組織が大きいので、若いうちから自分自身がプレイヤーでありながらも、外注業者や現場の作業員の方々に指示を出すマネージャー的な仕事もします。

会社での年数が長くなると徐々にプレイヤーとしての仕事は減って行き、課長になればマネージャーとしての仕事ばかりになります。

先にも言いましたとおり、役員ともなれば普段は下から上がってくる問題の報告を聞いて指示を出すために会議に出る毎日を送っています。

会議

さて、基本的にはマネジメント業務を行っている役員ですが、事業の状況がかなりまずいときはプレイヤーに変わることがあります。

私がメーカーにいた頃に、とある製品が事業存続の危機に直面するほどの大量不具合を出しました。開発段階のものではなく、既に市場に出ている製品です。

その場合、リコールになるわけですが、かなりの短期間で不具合の原因を解明して解決策を見つけ出さなければなりません。

事業の存続に関わる大不具合なので、社長や副社長にも問題を上げなければなりません。

その製品の担当部署は毎週副社長へ進捗報告をしなければならず、以下のようなサイクルで業務を行っていました。

①実験条件を考える

②実験を行う

③データ整理

④報告資料にまとめる

⑤副社長に報告する

役員は普段は自分が報告を受ける⑤の立場なので、① 〜 ④ に関わることはまずありません。

しかし、事態がまずいときは報告先がさらに上のポジションである副社長、社長になります。

そうなると、⑤の副社長への報告は役員自身がプレゼンし、① 〜 ④ にも関わることになります。

他の業務もあるため、自ら身体を動かして実験をすることはありませんが、①の実験条件を考えることはします。

普段であれば、凄く若い人たちがやるような仕事を事業がまずくなると役員が自ら行うわけですね。

エンジニア的には、役員が考えた実験条件とか半端じゃなくインパクトあります。

メーカーの役員は技術畑出身の人が多いので、場合によっては技術に深く切り込むこともする

根っこはやっぱりエンジニアなのですよね。

事業がまずいことになっている部署の一般従業員

事業がまずいことになっている部署の一般従業員

さて、事業がまずいことになると、役員がプレイヤーとして現場に降りてくるわけですね。

先にも書いたように普段は若いエンジニアがやるような仕事を役員が自らやることになります。

そうなるとエンジニアである一般の従業員は何をすることになるのか?

という疑問が出てきます。

答えは、マシーンと化すのです。

普段は実験条件を考える仕事もエンジニアである一般の従業員が行いますが、緊急事態で偉い人が現場に降りてくると、一般の従業員は手足と化すしかありません。

役員が考えた実験条件で実験を行うだけです。

上が右といったら右に、左と言ったら左に行かなければならないという、ある意味とてつもなく辛い立場になってしまいます。

まとめ

大企業(大手メーカー)の役員の仕事内容についてお話ししました。

役員の仕事は、管理範囲が極めて広いマネジメント業務です。

毎日毎日多忙で、仕事とプライベートの境界線も曖昧です。

事業の存続が危ういときは、役員が自ら現場に降りてきて、プレイヤーになることもあります。

言い方を変えれば、役員が現場に近い距離にいるほど事業としては危うい状況と言えるでしょう。