残業できない・させてくれない、という制限があると効率的に仕事する

今度、会社でノー残業デーの取り組みがはじまり、毎週水曜日は定時で帰らなければならなくなります。

定時で帰ると仕事が回るか心配です。

大丈夫なものなのでしょうか?

RYO
職場として本気で取り組めば大丈夫ですよ!

何とかなるものです。

私は大企業(大手メーカー)で、8年間エンジニアとして勤めた経験があります。

ノー残業デーという言葉が世に出るようになって久しいですが、同じ職場で、取り組みが失敗した場合と成功した場合、両方のケースを経験しました。

上手くいったケースでは、残業できない・させてくれないという制約があったから、従業員の仕事の効率がアップして上手く行きました。

今日は、ノー残業デーの取り組みがどうすれば上手くいくか、私が経験したことを元にお話しします!

残業できない・させてくれない、という制限があると効率的に仕事する

残業できない・させてくれない、という制限があると効率的に仕事する

単純に週に一回ノー残業デーがあると、その分働ける時間が短くなるわけです。

毎日残業するのが当たり前なのに、早く帰って大丈夫か?

と感じることでしょう。

上手くいくかどうかは、やり方次第と言えます。

ノー残業デーの取り組みで失敗したケース

会社の事業部の採算が悪くなったとき、よくノー残業デーのはなしが出てきました。

毎週水曜日は定時で帰りましょう!

というやつです。

取り組みが始まると、最初は皆いっせいに定時で帰るようになります。

部長がその日の定時になったら「帰れよー」とアナウンスをしていたのを思い出します。

しばらくの間はそれを守るのですが、1ヶ月ぐらい経つと仕事がどうしても片付かないから特別に残業の許可を申請する人が出てきます。

そして、部長も仕事が終わらないと困るから、それを承認します。

時間が経つにつれて残業を申請する人の数が徐々に増えて、3ヶ月も経つ頃にはすっかり元どおりになっている

というのがベタな失敗例です。

仕事を早く終わらせようとしますが、効率化には限界があるし、緊急事態が発生したら対応せざるを得ないからです。

なぜ、このようになるか? と言うと、強制力が足りないのが原因だと考えます。

失敗するのは「帰らなければならない動機付け」が不十分なのです。

帰るべき強制力がノー残業デーを成功に導く

上記のように、ノー残業デーが失敗するケースはたくさん見てきましたが、数少ない成功事例も見てきました。

RYO
皆さん、リーマンショックを覚えておりますでしょうか?

20代の方など若い世代は知らないかもしれませんね。

リーマンショックとは、2008年にアメリカ合衆国のリーマン・ブラザーズ・ホールディングスが経営破綻したことで、世界的な経済の落ち込みに繋がった現象のことです。

この時期、私がいたメーカーも例外なく経済危機に巻き込まれました。

消費が冷え込むと、製品が売れなくなりますよね。

売れないと生産量を減らすしかありません。

会社の利益も出なくなります。

そうなると、会社は従業員に給料を払うのが困難になります。

会社が傾いている状態で、給料をとる行為(残業)はしてくれるなと、上層部からお達しがあるわけです。

そして、またノー残業デーが始まります。

このときは、水曜日だけではなく週に何日もノー残業デーが作られました。

私が所属していた部署は景気に関わらず忙しかったですが、会社が傾きかけてるとあれぼ、何とかするしかありません。

普段とは違い、言い訳は許されません。

そうなると、ただ仕事を効率化するだけでは限界があるので、仕事を減らすようになるのです。

仕事を減らすことこそが最大の効率化なのです!

具体的には、課長が部下の意見を集めつつ、やるべき仕事・やらなくていい仕事を仕分けました。事業仕分けというものですね。

少し景気が回復するまで、1年くらいはその状態が続いたと記憶しております。

残業しなくても、仕事はちゃんと回ることが証明されたのでした。

ノー残業デーの取り組みは仕事を見直すいい機会

ノー残業デーの取り組みは仕事を見直すいい機会

さて、この経験から言えることは

ノー残業デーの取り組みは仕事を見直す良いチャンス

ということです。

本当に必要な仕事は何か? 考えるからです。

本当に必要なか否かを改めて考えると、仕事は減らせるものなのです。

残業時間に制限がないといつまでも仕事をしがちです。余計な仕事も作り出します。

逆に残業時間に制限があってはじめて、本当に必要な仕事は何か? を考えるようになるのです。

こういう機会にこそ仕事を見直すことで、不要な仕事をそぎ落として効率化するチャンスなのです。

私がいた部署では、不要な仕事をやらないようにした結果、定時に帰っても仕事が回る体制が出来上がりました。

RYO
そして、本当に必要な仕事以外はやらないという選択は不況に置かれているか否かにかかわらず、正しいことだと思いませんか?

先にも書いたように、人間、時間があると仕事を作りたがります。

全く新しい事業を始めるというのであれば、そうでも良いかも知れませんが、現状の仕事に余計なことを加えただけの場合も多いのです。

そして、一度作られた仕事を何年も継続していると止めることができなくなるのです。

習慣化されて思考停止状態になるからです。

「残業できない」という制約が、そういった余計な仕事を止めるための良い機会になります。

制約があってはじめて、皆ちゃんと頭を使うようになるのです。

残業ゼロについて参考になる書籍

さて、古い本ではありますが「残業をしないこと」について、参考になる本を紹介させて頂きます。

トリンプ・インターナショナル・ジャパン株式会社の元社長である吉越浩一郎氏が、就任中に従業員の残業時間をゼロにした方法が書かれています。

早朝会議、がんばるタイムの導入など、当時目新しい手法が注目されました。

時は経ちましたが、残業を減らすための本質的なことが書かれているので役に立つ内容です。

残業時間をゼロにしたいと考えている方は是非参考にして頂きたい一冊です!

まとめ

ノー残業デーが上手く行くかどうか? は、職場として本気で取り組むかどうかにかかっています。

どうしても帰らなければならない強制力が働けば、皆何とかしようするものです。

そういう状態であれば間違いなく成功するでしょう!