大企業のうつ病の実態、ならないようにするための方法

大企業では、うつ病になってしまう人が多いのか? これから入社するけど心配。

入社後、どのような心持ちでいれば病まないのか? 経験者の話しを聞きたい。

このようにお考えの方に向けて、記事を書かせて頂きます。

私は、大企業(大手メーカー)に 8年間勤務した経験があり、そこで色々な人を見てきました。

自分に良くしてくれた先輩で、うつ病になってしまった方がいました。

精神を壊す寸前でしばらくの休養を取り、無事に復帰された上司もいました。

私自身も、かなり精神的にきつい時期がありました。

この記事では、大企業でのうつ病の実態をお伝えするとともに、

ならないようにするための心持ちについてもお伝えできればと思います。

大企業のうつ病の実態、ならないようにするための方法

大企業のうつ病の実態、ならないようにするための方法

大企業でうつ病になる原因

学生時代からうつ病という言葉は聞いたことがありましたが、なぜなってしまうのか? は分かりませんでした。

少なくとも自分の場合は、学生時代にはそれほど厳しい環境に身を置いた経験が無かったからだと思います。

新卒で大企業(大手メーカー)に入り、社会人はうつ病と隣り合わせの状態だということを知りました。

私が大企業にいた当時、その会社の中には 600人くらいの人がうつ病で休職中という話しを聞いたことがありました。

当時、従業員数が 30,000人くらいだったので、単純計算ではありますが、だいたい全従業員の 2%の人がうつ病で休んでいたということになります。

確かに、私がいた部署でも人数が 100人超の中で1~2人が休職していたので、感覚的にも正しい数字だと思います。

さて、なぜうつ病になってしまうのか?

自分なりに考えてみると

●本人の真面目な性格
●外部からの強いストレス

の両方がある場合に、精神を病んでうつ病になってしまう人がいるように思います。

どちらか一方だけでは、そこまで精神を病むことは無いでしょう。

本人の真面目な性格

真面目がゆえに、責任を感じる必要が無いところまで背負いこんでしまうということがあります。

大企業の従業員は、これまでの人生において真面目に努力してきた人が多いです。

会社に入ってからも真面目に仕事を頑張ります。特に技術系の人間はその傾向が強いように感じました。

外部からの強いストレス

納期が急な仕事だと、精神的に追い込まれることがあります。

仕事内容の希望は出せるけど、通らない場合が多いです。

あと、やはり人間関係の影響は大きいです。

大企業は従業員の数が多く、かなりの数の人と関わることになるので、当然合わない人もいるわけです。

中には人を潰してしまうような人間もいます。

上司であれ、先輩であれ、他部署の人間であれ、合わない人と継続的に接するのはストレスになるものです。

私が知っているうつ病になってしまった人

私が知っている方で、うつ病になってしまった人のことをお話しします。

大学の博士課程からスカウトされてきた優秀な人

私が新人の時代に一緒に仕事させて頂いていた当時入社3年目の先輩(Aさんとします)がいました。

Aさんは、その当時部署の主力製品の開発を行っていた室長が、社会人ドクターとして某大学の研究室に通っていたときに、その研究室からスカウトしてきた人でした。

入社後はその室長の元で主力製品の開発に携わっていました。

Aさんは博士課程を出ているだけのことはあって、高い技術力を持っていました。

真面目で勤勉なタイプで、誰に対しても丁寧に接する人でした。紳士的でコミュニケーション能力もありました。

Aさんをスカウトした室長は、先に書いた主力製品の開発を始めた人で、社内中に名前が知れ渡っているほどの人物でした。

すごい人であることは間違いありませんでしたが、部下に対してはけっこう理不尽な面を持っていました。

私は直接下に付いたことはありませんでしたが、打合せで一緒になったときに、部下に対して辛辣な物言いをするところを見たことがあります。

思い込みが強く、実験などで自分の思い通りの結果が出ないと、部下を責めるようでした。

私がAさんと一緒に実験をやっていたときに、その室長のことを「デリカシーが無い」と言っていたのを覚えています。

また、仕事のことについてポロっと「命を削って働いている感じがする」と言っておりました。

それを聞いたときは、この会社の人は皆そうなんだろうなぁ、と新人ながらに思った程度でした。

Aさんがうつ病と診断され、長期休業するようになったのは、それから3ヶ月後のことでした。

私はとてもショックでした。。

仕事は大変そうでも、全然病んでいるようには見えなかったからです。

Aさんは真面目だったので、見えないところで色々と抱え込んでしまっていたのかも知れません。また、室長のプレッシャーも間違いなく原因になっていたことでしょう。

Aさんはそれから3ヶ月間休み、再び出社するようになりました。

戻って来てすぐは前とそんなに変わらない様子でしたが、しばらくしたらストレス性のアトピーで肌が荒れ出して、とても調子が悪そうに見えました。

その時期に、室長に対して部署を変えてもらいたい旨を申し出たようなのですが、受け入れてもらえなかったようです。

一人が部署から出たら、代わりに他の従業員を他部署から引っ張って来なければならないので、部署の異動はなかなかできないものなのです。

そして、調子が上がらない Aさんは、再び長期休業することになるのでした。

その後、私が会社を辞めるまでの7年間くらいの間、Aさんは前みたいにちゃんと会社に来れるようにはなりませんでした。

うつ病は一度なってしまうと、回復に長い年数がかかります。

Aさんはうつ病になったとき、ちょうど30歳過ぎで、まだまだ人生これからという時期でした。

私もお世話になった方なので何とか力になりたいと思いましたが、どうすることもできませんでした。

地下

声が大きい上司の下に付いた人

大企業だと1つの部署で100人くらいの従業員がいるので、1人くらいはものすごく声が大きい人がいるものです。

そういう課長の下に部下として付いた人で、うつ病になってしまった人がいました。

その人が怒るときなど、周囲に聞こえるように大きな声で怒るので、部下としては晒されているような状態になるわけです。

言われたことを言葉通りに受け取ってしまう人だと、そういう上司の下はかなり精神的にしんどいでしょう。

後に書きますが、そういう上司の下に付いてしまったときは、早い段階で周囲に助けを求めるようにした方が良いです。

明るい女性社員

私の同期で、とても活発で気遣いもできる女性社員がいました。

新人研修のときのクラスの打ち上げを主催するようなタイプで、何かと中心になるような人でした。

人づてに聞いた話しではありましたが、入社して3年目のときに病んで長期休業したようです。

その後復帰したという話しは聞きませんでした。

うつ病になってしまった詳しい経緯は分かりませんが、明るくて活発な人だったのでかなり意外でした。

一見うつ病とは無縁に見える人ほどなりやすい、という話しも聞いたことがあります。

大企業でうつ病にならないようにするための方法

さて、自分が大企業にいた経験から、うつ病にならない方法を書き出してみたいと思います。

同期に思い切り愚痴る

嫌なことがあったら、愚痴りましょう

溜め込むと体に良くありません。

私は毎週金曜日の夜は、仲のいい同期と飲んでいました。

お互いに嫌なことがあったら愚痴って発散していました。それだけでだいぶ違います。

気心知れた人との交流は大事です。

早めに根をあげる

このままでは自分は人間曲がってしまうということがあれば、早めに根を上げた方が良いです。

本当に精神を病んでしまってからでは遅いので。

直属の上司との反りが合わずに辛ければ、もっと上の上司に替えてもらえないか相談したり、

あるいは仕事の関係者とのやり取りが辛ければ、自分の担当業務を替えてもらえないか上司に相談すると良いでしょう。

その時に、本当に自分がおかしくなりそうなことは伝えなければなりません

私の同期は、直属の上司と合わずに1年くらいしんどい思いをしてから部長に直談判したところ、違う上司の元に配置してもらえました。

下っ端のうちから部長に話しかけるのは大変なことですが、それぐらいのことをすると方話しが早いです。

自分は一従業員に過ぎないことを認識する

数万人もの人数がいる会社の中で自分は豆粒のような存在であることを認識しましょう。

あなたが大きな失敗をしたとしても、それで会社が傾くことなどありません

そう考えると幾分か気持ちが楽になります。

無責任さを持つ

「ここまでしっかりやったんだから、後は知らねーや」という責任感のある無責任さも大事です。

基本、真面目に仕事をすることは大事です。

しかし、巨大組織においては自分の立場ではどうしようもないこともあるわけです。自分の役職以上の責任など感じる必要はありません。

私が当時お世話になった室長(偉い人)も、仕事のプレッシャーは相当だったようで、飲み会の時に冗談めかしてではありますが、「オレにこんな仕事を任せるのが悪い!」と言っておりました。

偉い人でさえそういう意識を持たないとやってられないのです。

真面目さと不真面目さが同居したような状態がベストだと思います。

プライベートで大自然に触れる

長期連休などに、大自然に触れると良いです。

だだっ広い草原で寝そべって空を見ているだけで、地球いや宇宙の中で自分がいかにちっぽけな存在か、日々起こっていることがどれだけちっぽけなことか感じれます。

私は、社会人2年目のゴールデンウィークに北海道に行ったときにそう感じました。

北海道自然豊かでおススメです! 美瑛のあたりとか特に。

北海道美瑛

うつ病になる直前で免れた人

もう少し無理をするとうつ病になってしまうという状態で、根を上げて免れた人もいました。

室長になってから責任を感じすぎた上司

私が新人のときにお世話になった課長が、昇進し室長になってからのことです。

その人は本人も言っていたのですが、マネージャーというよりもプレイヤー気質の人でした。

細かいところまで色々と責任を感じすぎて、自分を追い詰めてしまったようです。

なおかつ、部下に反りが合わない人がおり、扱いに困っていました。

顧客からのフォローも厳しかったようです。

室長になってから2ヶ月経った頃に、夜何日間も眠れない状態が続いたようです。

心療内科に通ったところ、しばらくの休業が必要と診断されて2ヶ月ほど休むことになりました。

ちょうど子供が夏休みの時期だったので、休業中よく子供と遊んだようです。

これまで仕事詰めの状態だったけど、子供と触れ合う毎日が本来の姿なんじゃないかと感じたと言っていました。

その2ヶ月間で良いリフレッシュができたみたいで、その後無事に復帰し、普通通りに働けるようになりました。

限界ぎりぎりまで我慢せずに、眠れないという症状が出たときに根を上げたのが良かったのだと思います。

仕事の関係者からのプレッシャーが強すぎた先輩

私がいたのは技術系の職場でした。

となりの課の先輩が担当していた開発製品で重大な不具合が見つかりました。

技術者(エンジニア)の職場だと、不具合が起こるとかなり大変なことになるのです。

その人は品質保証部の変わった人物 I さんからかなりのプレッシャーをかけられる状態になりました。

Iさんはとにかく正論が大好きな人でした。

正論ばかり言う人は融通が利かず、時にやっかいです

正論は誰にでも言えます。正論通りに行かないことが多いので、そこをどうするか? を考えることが仕事なのです。

正論を言っている自分がかっこいい! とでも思ってるのか、、、アホですよね。。

不具合の対応で、徐々に Iさんから追い詰められた先輩は、次第に夜眠れない状態に陥ったそうです。

先輩は課長に Iさんからのプレッシャーで眠れなくなっていることを伝えました。

そうしたところ、課長と室長の2人が動き、 Iさんに圧力をかけたのでした。

「〇〇(先輩)が眠れないって言ってるんだ。あいつを潰したらお前のせいだからな!」とストレートに言ったようです。

その後、Iさんからの執拗な追い込みはなくなり、先輩も普通に戻って行きました。

限界ぎりぎりまで我慢せずに助けを求めた方が良いということでしょう。

私が病みそうになったとき

さて、上の2人ほどではないかも知れませんが、私も精神的にかなりしんどい思いをしたことがあります。

よく覚えているエピソードを1つお話しします。

製品開発の進捗を報告する会議でのことです。

その時期、私がいた課とすぐ隣の課が仕事上の関係がかなり悪くなっていました。

私が発表者としてプレゼンする会議で、隣の課の課長が憂さ晴らしをするかのように、私に色々と攻撃的な指摘をしてきたのです。

私も何とか答えようとしましたが、最初から私を潰してやろうとするその人の態度が見え隠れして、

ものすごく腹が立ってきて色々と言い返しました。

そんな応戦を繰り返して、最後には大声で怒鳴られたのでした。

その次の日からしばらくは、その時のことが頭に残りましたし、会社にも行きたくありませんでした。

会議で怒鳴られたのもありますが、それ以前からその課長とは反りが会いませんでした。

ますます、その人と話しができなくなり仕事上の悩みが増えました。

しかし、その時の私には反発する気持ちがありました。

若いがゆえかも知れませんが、その課長に対して「このクソ野郎が!!」て思う気持ちがありました。

責任を感じすぎてしまうよりも、そういう状態で良かったと思います。

精神が病みそうになったら環境を変えるのが一番

精神が病みそうになったら環境を変えるのが一番

先にあげたうつ病になる直前で免れた人達もそうですが、精神を病みそうになったら環境を変えるのが一番です。

●休業する
●上司に相談して配置換えしてもらう
●迷惑な人から遠ざかる

など。

身体が信号を発したらすぐに動いた方が良いでしょう。

会社にいること自体が無理であれば辞めるのもありでしょう。

大企業にいる人は、これまで努力してきてそこにいるわけですから、積み上げたものを犠牲にできないと考える人も多いです。

あるいは親に申し訳ないと思うこともあるかも知れません。

それでも本当に精神を病んでしまったら、自分の人生にとっては大きな損失です。

積み上げたものも何も関係ありません。

本当にやばければ逃げるのは全然ありです。

他の大企業に転職できる可能性だったありますし、大きな組織で働くことが無理と感じたら中小・零細企業に転職すれば良いでしょう。

まとめ

大企業でのうつ病の実態と、ならないようにするための心持ちについても話しさせて頂きました。

ストレスのない仕事はありません。

社会で人と関わる以上は何かしらのストレスが必ずあります。

強いストレスを感じたときは我慢しすぎないようにしましょう。

上司など助けを求めれる人がいれば、根を上げるのは全然ありなのです。

どうしようもなければ会社を辞めるのだって問題ないでしょう。

とにかく早めに環境を変えることをおススメします。