大企業では社内の人脈が大事、零細企業では町の人脈が大事

ビジネスをする上で、人と人との繋がりは欠かせません。

それは大企業でも零細企業でも同じです。

いわゆる人脈というやつですね。

ただ、大企業にいる場合と零細企業にいる場合とで、人脈の種類が異なります

私自身の大企業と零細企業での経験から、それぞれどのような人脈がモノを言うかお話ししたいと思います。

なお、大企業は従業員が数万人いる会社、零細企業は数人の会社という前提でお話しさせて頂きます。

大企業では社内の人脈が大事

社内の様々な人との連携

まずは大企業のお話しから。

大企業は従業員の数が多いです。私がいた自動車関連のメーカーは 4万人くらいの従業員がいました。

1つの部署にも 100人近くの人がおり、仕事は細分化されています。

自分が携わるプロジェクトを遂行するためには、部署の内外の様々な人々との連携が必要になります。

しかし、時に同じ部署の隣の課でさえも遠い距離があるように感じられることがあり、他部署となればなおさらです。

皆それぞれが何かしらのプロジェクトを担っているので、ピリピリしていることもあるのです。

さて、部署の内外の人々と上手に連携してい仕事をしていくためには、やはりそこの人々と話しができるということが大事です。

そして、いざという時にすぐに協力してもらえるようにするためには、自分も日頃から周りを助けなければなりません

仲良くなって協力できる体制を社内の色々なところと作っていかなければならないのです。

それは一従業員が大企業で生きていくためには、社外の人脈よりも大事なことです。

エンジニアの業務での人脈

私はエンジニアだったので、その業務の範囲内でのお話しをさせて頂きます。

例えば、あるプログラミング言語を使ったツールを作らなければならない場合があったとします。

そのような場合、自分がゼロからそのプログラミング言語を学んで作るというのは非効率なので、大企業の中での仕事としては適していません。

自分以外のスキルを持った人にすぐに依頼できることが大事です。

そんなときに、自分が話しができる仲がいい人に頼む方が断然頼みやすいですし、仕事をしっかりやってくれる可能性が高まりますよね。

また、例えば特別な設備を使った実験が必要な場合、現場(工場)の人に依頼しなければならない場合もあります。自分よりもずっと年配の人達です。

そういう場合には、可愛げがある若者って思われた方が色々うまく行きますよね。

仕事の規模が大きく、一人ではできないことばかりなので、色々な人達と上手に連携していくことが大事なのです。

大企業での社内の人脈の作り方

社内の人脈と言ってもそうするにできるものではなく、積み重ねが大事です。

●メールで連絡取れるようなことでもなるべく足を運んで直接コミュニケーションを取る
●打合せをする回数を増やす
●現場に頻繁に足を運ぶ
●昼食を一緒に食べる
●飲み会に参加する
●プライベートで繋がりを持つ

こういったこと ↑ を面倒臭がらずにできて、社内で人脈を築ける人は大企業向きと言えます。

そして、敵を作らないことも大事です。八方美人であることも大企業で上手に生きていくための武器になるでしょう。

上からも周囲と関係をしっかりと築ける人間として、評価が高くなります。

私のが大企業にいたときは、八方美人ではありませんでしたし、自分一人でできることは一人で片づけてしまった方が良いと考えていました。

変な話しではあるのですが、自分一人で片づけれるようなことでも打合せを開催して皆とコミュニケーションを取って解決した方が人との繋がりはできるものなのです。

私の元同期の A君は、とにかく何でも周りと一緒に仕事をしようとするタイプでした。

上司や他の関係者とよくコミュニケーションを取っていましたし、少しでも自分で決めることが困難なことは打合せをして皆で決めるようにしていました。

また、昼食の時間も食堂で上司のグループに混ざって食べていました。

A君を見ていて、気に入られようとしている様子も感じていたので、自分は見ていて正直イラっとすることもありました。

ただですね、やっぱり彼は周囲から良い印象を持たれていました。

自分も今思えばですが、もう少し上手く立ち回ることもできたかな~ と感じています。

懇親会

一従業員は組織を動かせる立場ではない

先に一従業員にとって、社外の人脈よりも社内の人脈の方が大事ということを書きました。

社外の人脈が大事ではないと言っているわけではありません。

私のいた会社では自動車メーカーと一緒に仕事をすることもあり、そこの担当者との繋がりも大事でした。

ただ、仕事上の絡みがある人の数は圧倒的に社内の方が多かったです。

あと、街で異業種交流会が開催されていますが、そこに行ってもビジネスに繋げることはまず不可能です。

私も何回か参加して名刺交換を頑張りました。

しかし、一従業員の立場だと会社を代表して他者と仕事上の関係を結ぶことはできません

それができるのは役員などの上層部だけです。

一従業員は会社として取ってきた仕事の一部を任される立場なので、基本的に与えられたことをやります。

異業種交流会で仲のいい友達はできても、それを超えてビジネスに発展させるのは不可能です。

零細企業では社内の人脈が大事

次に零細企業での人脈についてお話しします。

ズバリ、零細企業では社外の人脈が大事です。

町の人脈と言った方がいいかも知れません。

そもそも零細企業だと従業員は数人しかいません。

社内で関わる人は皆同じオフィスにいる場合も少なくありません。

そうなると、社内では人脈もくそもないわけです。

零細企業にいる人は、一従業員であっても積極的に町に出て行くべきです。

それが会社のためになり自分のためにもなるからです。

零細企業での町の人脈の作り方

どのように町の人脈を作るか? というはなしですが、一言で言えば零細企業の経営者がいる場所に出向くことです。

商工会、法人会、同友会といった「〇〇会」という体のところには、経営者が多く集まります。

会の目的は、町の発展であったり、商業の発展であったり色々ではありますが、そういった会に所属して経営者の方々と共に活動をすることが大事なのです。

その活動の後には皆で飲みに行ったりもします。

すぐに仕事に繋がるとは限りませんが、自分の人となりを知ってもらうことで、先々仕事に繋がる可能性が残ります。

例えば、ある人の会社で印刷が必要になったときに「そう言えばあの人印刷屋だったな」って感じに思い出してもらえるようになるのです。

趣味の集まりに参加するのも有りです。

活動の内容は何であれ、継続的に参加できる場所があることが望ましいです。

同じ人に定期的に会うことができますし、また新しく入ってくる人とも徐々に知り合いになれます。

町の人脈が売上に大きく関わる

零細企業はローカルです。

売上は地域から得られるものなので、町の人脈がものを言うのです。

大企業と違って、社長や従業員の営業力が如実に売上に表れます。

私が知っている、4年前に地元で会社を立ち上げた人は、地域にある「会」と付く場所にはすべて入会しています。

会の他のメンバーの前で話す機会があるときには、手短に自分の仕事のアピールをすることを欠かさずにやっています。

会社を立ち上げてまだ数年ということもあって、ハングリーにがっついて行く姿勢は半端ではありません。

しかし、それぐらいやらないと会社の売上には繋がらないのです。

Facebook や Twitter などの SNS も上手に活用すべき

Facebook や Twitter などの SNS をビジネスに活用できる余地があるのは、大企業よりも零細企業の方でしょう。

大企業は既に知名度があるのに対し、零細企業は社名を知られていません。

大企業の従業員がどれだけ SNS をやってもそれが直接仕事に繋がることはあまりないですが(そもそも仕事のことを SNS にアップできない)、零細企業の従業員にとっては町との繋がりを補完する意味でも大いに活用できます。

同じ町のメンバーが集まるグループがあれば、そこに向けて発信するのもありでしょう。

そうすることで町の人に認知してもらえる可能性は格段に高まりますので。

大企業と零細企業の人脈の決定的な違い

さて、大企業でも零細企業でも人脈を作ることが大事なのは間違いありません。

特に

●大企業は社内の人脈
●零細企業は町の人脈

ただ作り上げた人脈には大きな違いがあります。

それは、社内の繋がりは義務感が強いけど、町の人脈は義務感が弱い

ということが関係しています。

大企業でプロジェクトを進めるために、様々な方々と連携が必要と言いました。

ただですね、基本的に社内の人が協力をしてくれないことはあり得ません

会社内で協力するように決められているから当然です。

一緒に仕事をするとためには、仲良くなっていた方が色々とやりやすいことは確かです。

大企業で言う人脈作りが上手いというのは、厳密には協力を得られることが決まった後に物事を円滑に進めれるということです。根本的に協力を得られるか否かではありません。

さて、それに対して零細企業の人脈はどうでしょうか?

仕事で関わっている人が常に協力的とは限りません。

町で繋がりができてビジネスで繋がった人であっても、自社と相手の会社との利害関係で、ある日突然去っていくことだってあり得ます。

大企業の場合の社内の繋がりとは違い「常に協力しなければならない、という義務感はない」わけです。

大企業にいた人が自分が社内で上手く他部署・他者の協力を得られたから零細企業に行っても上手にやれる!

と思っていても、上手く行くとは限りません。

これまで義務感で協力が得られていた社内の人脈とは違うわけです。

ビジネスに直結する者同士の関係は、そんなにたやすいものではありません。

まとめ

大企業、零細企業それぞれにおける人脈についてお話ししました。

タイトルのとおり

●大企業では社内の人脈が大事
●零細企業では町の人脈が大事

です。

転職したばかりで人との関わり方がよく分からないという方にとって参考になればと思います。

また、転職するか否か迷っている人も、転職後のイメージが少しでも湧くように参考にして頂ければ幸いです。