大企業で役員になる人の特徴

大企業で役員になる人は、どういう人なのですか?

こういった疑問↑ にお応えします。

私は大手メーカー(大企業)で 8年間エンジニアとして勤務していました。

現在は大企業を辞めて、家業をやっています。

大企業にはたくさんの人がいます。出世コースを歩む人の中の、ほんの一握りの人が役員(社長、副社長、専務取締役、常務取締役)にまでなれます

100人以上はいる同期入社の中で、役員にまでなれる人はいない場合がほとんどでしょう。

さて、大企業で出世する人の特徴についてこちらの記事に書きました。

この記事では、上記記事に加えて大企業で役員になる人の特徴について書きたいと思います。

私は 33歳で大企業を辞めているので、在籍中はまだ若く役員の方と接点を持つことはほとんどありませんでした。

一従業員の立場からすれば役員は神のような存在です。

RYO
ただ、稀にではありますが役員と接点を持つことがあったので、そこまで出世する人が他の人とどう違うのか? ということを肌で感じていました。

私がいた会社は、設立から50年以上の歴史がある大企業で従業員数は 3万人を超えていました。

その企業で役員になる人は皆異例のスピード出世で、だいたい40代後半で役員になっていました。

大企業で役員になる人の特徴

大企業で役員になる人の特徴

さて、先にも書いたとおり役員になれる人はほんの一握りです。

そして、やっぱり他の人とは違うと感じさえられるだけのものを持っています

私が実際に見てきた役員になる人の特徴を、以下にあげてみます。

記憶力がずば抜けている

私が接したことがある役員は数人ですが、人よりも明らかに記憶力が優れていました

こんなことも覚えてるの? ということを記憶しています。

数か月前の報告内容の細かい部分を覚えている

ある時に私と直属の課長、室長、部長の4人で役員に報告に行く機会がありました。

役員に報告するようなことがあるときは、何か問題が起こっているときなのです。役員クラスの人は日頃、事業を左右するような問題にしか関わりません。

役員への報告なので室長が資料を見せながら話しをします。一番下っ端の私はカバン持ちみたいなものです。

およそ 15分ほどの報告を終えて、私たちは通常の仕事に戻りました。

それから3ヶ月ほど経ち、その時に報告した件がどのようになっているか進捗を報告に再び 4人で行く機会がありました。

その時に話しの本筋ではなかったのですが、枝葉の細かい部分で「あれ、そこ前と言ってること違うよな?」という指摘を受けてびっくりしました。

傍から見ていたら「え、そんなところまで覚えてるの?」って感じでした。

役員は毎日、色んな部署から雑多な報告を受けるので、同じ案件での報告は数ヶ月に1回ということも少なくありません。実際に上記の案件でもそうでした。

日々色々な案件に関わる中で、数か月前の報告内容の細かい部分など覚えているわけがないって思うじゃないですか?

そこが違うのです。彼らは「聞いてない」「見てない」というようなことは口にしません。

元々記憶力が優れている上に、全身全霊で話しを聞いています。

報告

会議での報告内容を覚えている

私がいた部署の部長から役員になった人がおり、その人が部長時代のことです。

技術系の部署で DR(デザインレビュー)という、開発業務の進捗を部長などの偉い人に報告する会議体があり、そこで説明した内容について後日部長と話しをする機会がありました。

「〇〇の数値って 3.4だよな?」と聞いてくる部長。正しいので私は「はい」と答えたわけですが、一瞬後に「この人すげ~」って思いました。

会議体の中で私が話した細かい数値は、私自身は日頃その業務にどっぷり浸かっているのでパッと答えれて当然ですが、部長のように会議体でしか聞いていない人がすぐに思い出せるというのに驚きましたね。

現場を想像する力に長けている

役員は日頃は部下と一緒には仕事しません。

事業部を統括するのが役割なので、全体を見なければいけません。

問題が起こっていることについて報告を受けて、決断をして次のアクションの指示を出すのが仕事です。

彼らは部下から報告を受けることについて、現場で何が起こっているかの想像力に長けています。

昔は自分だって現場にいたからというのはありますが、下が報告してくる内容を少し聞くだけでも多くのことを理解します。

「一を聞いて十を知る」という言葉がありますが、それがそのまま当てはまるような人達なのです。

論理的思考力が高い

「こうだからこう」という論理的思考力が異常に高いのも特徴です。

下が資料をもとに報告する場合に、内容に理屈が通っていないとすぐに分かるようです。

日頃、現場の仕事を見ることは無いから、知らない内容でも論理的思考力があるから鋭い指摘ができるのです。

納得いくまで理屈で物事考えるので、誤った判断をすることはほぼ無いように見えました。

細部まで目配りができる

大きな流れを把握しつつ、細部にまで目配りできる人たちです。

これは私が新人のときにいた部署の部長の話しです。その人は私が2年目になるときの人事で役員(常務取締役)に昇進しました。

新人には1年目の最後に、研修の成果を報告する発表会がありました。

同じ事業部の新人が一堂に集められ、順番に発表していくというものです。

その発表には直属の上司(課長)も一緒に参加し、まずは課長が大枠を話してから新人が発表するという流れになっていました。

私の上司はその日は出張が入ってしまっており、となりの課の課長が代わりに出てくれることになっていました。

数日後に新人研修の発表を控えていた私は、業務の合間に発表の練習をする日々でした。

そんな時、昼休みに部長が席にいる私に話しかけてきたのです。

「新人発表の日〇〇(私の上司)いないけど、誰が代わりに行くか決まってるか?」

私は「はい、◇◇さんが出てくれます。」と答えたわけですが、びっくりする自分がいました。

なぜかと言うと、部署には 120人くらいの従業員がおり、部下の色々な仕事に関わる中で新人の発表会の優先順位は低いはずなのです。面倒見は当然部下に任せていました。

それに、その発表会に部長自身が出なければならないわけではないのに、その日に私の上司がいないことを知っているというアンテナの高さに驚きました。

ある一日の私と私の上司という、120人の中の2人の部下の予定を把握していることが凄いと感じました。

夜のビル

厳しくて・気遣いができる

役員は時には厳しいことを言います。

しかし、部下を叱った後の気遣い的フォローもしっかりしています

ある報告会で、私がいた室で30枚ほどの資料をパワーポイントを使って役員に報告する機会がありました。

喋り手は室長です。

報告が始まって 2枚目のスライドの部分で、早速指摘を受けることとなりました。

そして、散々に言われた挙句「その日の報告内容では前提としていることがまとまっていないから、報告会を続ける意味がない」

ということになり、再度後日報告ということで、その日の報告会は終了したのでした。

はっきり言って撃沈もいいところです。疲れ切っていた私たち(特に室長)がいました。

さて、そんな中、次の日に室長の元へ昨日報告した役員からメールが届いていたのです。

手短にではありますが

「昨日は報告お疲れ様でした。資料は部内で展開しておいて下さい。」

という内容のものでした。

昨日あれだけけちょんけちょんに言われて皆落ち込んでる時だったので、救われたような気持ちになりました。

資料は見る価値もないとして、ほぼ報告させてもらえなかったのですが「部内で展開しておいて下さい」と。

おそらく、我々が落ち込んでるのではないかと気を使ってメールをしてきたのだと思います。

こちらのできが悪ければ当然言うことは言うけど、後のフォローも欠かさないのです。

実際に触れたことがある役員になった人

実際に触れたことがある役員になった人

役員になった人は、上記のように能力が高いです。元々そうなのか? 努力によってそのようになったのか? は分かりませんが。

さて、色々な人が言っていることでもありましたし、私自身も感じたことですが

役員になる人には人格者が多い

ということが言えます。

人格者というのは、ただ優しいというのとは違います。

・意味なく人を叱らない
・ギブアンドテイクの精神がある
・筋が通ったことであれば認めてくれる
・責任を取ってくれる

という特徴を持っているということでしょうか。

もちろん人それぞれパーソナリティは違います。

常に前向きで明るい人もいるし、割とネガティブな面に目を向ける人もいます。

しかし、私が知っている役員になった人は皆上記のような人格者でした。

実力があるのは前提で、後は人が着いてくるかどうかなのでしょう。

人が着いてくる人には天性的な魅力もあると思います。

先にも書いた私が新人時代にいた部署の部長から役員になった人は、酒の席で普通に笑いながら「なんで自分が役員になったのか分からんなぁ」と言っていました。

その人はポジティブさが前面に出ていて、何か問題が起きても「どこのだれだれが悪い」ということは絶対に言わない人でした。部下からは慕われてるし、客先からもいい人だと言われている人なのですが、それは狙ってそうしているのではなく、おそらく天性のものだったのだと思います。

だから、自分がなぜ役員になれたのか分からなかったのだと思います。

そんな人には勝てっこないですよね。

【書籍】社長が“将来”役員にしたい人 秋山進著

人材育成などのサービスを提供する秋山進氏が書かれた、(主に大企業の)役員についての本があります。

秋山氏が仕事を通して様々な人に触れてきた経験から、役員になる人がどのような人か体系的に書かれており、また具体例もあげられています

大企業に勤めている人であれば、ご自分が日頃置かれているビジネスシーンからイメージが湧きやすい内容ですので、とても読みやすいです。

役員というポジションに興味がある方、将来目指したい方にはお勧めです!

まとめ

大企業で役員になる人の特徴について書いてみました。

何万人という従業員の中から選ばれるだけのことはあり、実力があって人格者でもある人達です。

出世コースを歩む人の中には計算高く動いて上手く行く人もいますが、同じようにして役員になれる人はいないでしょう。

もっと超越したものが必要です。