私は 34歳を目前に大企業を辞めて、零細企業(家業)に転職しました。
従業員数人の会社です。
会社を辞めた理由はこちらの記事に書きました ↓
さて、大企業と零細企業と比べたら当然大企業の方が上でしょ??
って思われる方は多いかも知れません。
事業規模や年商、従業員こ平均年収は確かに大企業の方が上です。
しかし、零細企業には零細企業の良さがあり、どちらが合っているかは自分の価値観次第だと感じております。
今日は大企業と零細企業の両方を経験した視点から、零細企業で働くことのメリットについて書いてみます。
目次
零細企業で働くことのメリット
自分の裁量を発揮しやすい
自分が大企業を辞めた理由の1つは、組織構成が何重にもなっており、自分の裁量が発揮できないことでした。
零細企業では、うまくやれば自分の裁量を思い切り発揮できます。
社長がワンマンの会社だと難しいと思いますが。
面接のときに仕事を任せてもらえる人か、社長をよく見ましょう。
仕事を任せてくれる社長であれば、自分に与えられる裁量は大企業の比ではありません。
私自身の場合は、自分が後継者であることが決まっているので特に大きな裁量が与えられています。
担当する仕事の幅も、大企業よりも広いです。
大手メーカー(大企業)にいたときは技術者だっので技術のみに従事していましたが、今はあの頃よりも多くのことに携わっています。
業種は違いますが、営業、総務、人事、IT 担当など。
営業の仕事の一面を言えば、自分が商工会や法人会などに顔を出して経営者との繋がりを作ることで、仕事に繋げています。
人事面で言えば、人を採用するときの面接も担当します。
また、社内の古い仕事の仕組みを IT を導入して、徐々に新しいものに替えるなどしています。
会社の HP を作って運営するのも自分の役割です。
このように、様々なことに関わっているのです。
組織がどう回っているか、社会がどう回っているかが分かる
零細企業は小さいです。
しかし、小さいが故に組織がどう回っているか? がよく分かるのです。
組織がどのように動いて会社が売上を上げているか、がすべて見える範囲にあるのは大きいです。
大企業の中にいると組織が巨大すぎて、それがなかなか分かりません。
また、お客様が自社の商品のどこに価値を感じてお金を払ってくれるのか、もよく分かります。
それを理解することがビジネスを理解することになり、新しいサービスも生み出すことにも繋がります。
あと、零細企業にいると資本主義社会という大海原が見えます。
自社のみならず他社との関わりを通して、勝っている会社、あまりうまく行っていない会社が鮮明に、時には残酷なほどに分かります。
大企業は大型の船で、そこで働く従業員は一乗組員です。船の中であくせく働いても大海原を見ることはありません。
梶を切るのは上層部のみで、一乗組員は船のメンテナンスで会社生活を終えます。
それに対して、零細企業は小船です。従業員は一乗組員であっても、すぐ外に大海原があり船がどの方向に進んでいるかよく分かります。
あまりにもの強い風が吹くとそれだけで壊れるリスクもありますが、それに抗うための戦いを経験できるのです。
自分の頑張りが業績に繋がっていることが分かる
大企業では給料の制度が一律で決まっています。売上を上げている部署もそうでない部署も従業員の給料はそれほど変わりません。
それに対して、従業員が数人の会社だと自分の頑張りがもろに会社の業績に反映されます。
既に会社にある仕事をさばくこともそうですし、新しい仕事を獲得すれば会社の年商が増えます。
その結果として、自分自身のボーナスが増えるという流れに繋がるのです。
歯車ではなく唯一無二の存在になれる可能性がある
世の中、替えのきかない人材はいないと思っています。総理大臣だって大統領だって交代します。
さて、大企業の場合人材が豊富です。
自分と同じようなスキル・経験を持った人がたくさんいるので、自分ひとりが抜けてもすぐに補充がきくのです。
会社そのものはビクリともしません。
従業員一人一人は完全に歯車なのです。
一方で零細企業は人員が限られているので、何か特殊な業務を担当している人が抜けてしまうと、それができる人が皆無になるということは少なくありません。
私が知っているある会社では、長年にわたり経理を一人の女性が担当しており、完全にその人がいないと回らない状況になっています。
社長も完全に任せきっているので、会社の経理のことはその人が全て知っています。
その人はかなり重宝されていると言えます。歯車ではない唯一無二の存在になっているのです。
また、ある人は会社の IT 業務を一手に引き受けています。
都会と違って地方企業だと IT に詳しい人材が限られているので、他の人ができないことができる人ということで重宝されています。
このように、零細企業では人材というリソーセスが限られているが故に、特殊スキルがあれば唯一無二のポジションを確立しやすいと言えます。
周りに経営者が増える
零細企業では町のつながりが大事です。
商工会などの会に属することで、経営者との繋がりができます。
昔からずっとある会社、創業仕立ての会社など様々な会社の経営者がいますが、
皆今現在の厳しい時代において、会社がその地域で生き残っているだけでも、正しい経営ができているということになると思っています。
そういう経営者の方々と接しているだけでも、色々と勉強になります。
・会議の仕切り方
・自分の意見の言い方
・人との付き合い方
こういうことから経営のセンスが見えることがあるのです。
彼らは自分で事業を動かしています。
時には借金をしてリスクを負っているのです。
大企業よりも独立に繋がりやすい
資本主義の大海原が見えて、他の経営者との繋がりが作りやすいので、独立を考えている人は絶対に零細企業にいた方がいいです。
大企業にいても独立した後にどう動けばいいか、一向に分かるようになりません。
創業したら社長は最初は何でもやらなければいけません。
営業も事務も何でもです。
すべてを経験できる、あるいは経験してない業務の内容をすぐ横で見れる環境は、零細企業にしかありません。
政治的な気遣いが少なくて済む
大企業と比べて政治的な気遣いが少なくて済むのもメリットです。
同じフロアのすぐ隣の課と一緒に仕事をするときでさえ、やりにくいこともしばしばでした。
課長同士がうまく話しができないような間柄の場合とか。。
他の部署に仕事を依頼するときなど、部長を通さなければならないことも多いです。
社内で何か動きをとるときには政治的な絡みが出てくるのです。
零細企業は人数が少ないので、社長の GO がかかりさえすれば何でもすぐに動けます。
あそこの課長に〇〇を依頼しなきゃ、
とか
これはちゃんと根回ししといた方がいいな
とか
社内での動きについて、あれこれ考えなくて済みます。
大企業よりも人の温かみを感じられる
大企業って従業員同士の関係が、ザバザバしてる場合が多いんですよね。
もちろん周りにどんな人がいるかにもよりますけど。
私がいた部署では、朝出社したときに挨拶をしませんでした。
毎日会う人に特に挨拶する必要も無いと思っていたのか、単なる習慣でそうなっていたのかは分かりません。
皆そのまま席について仕事を始めるのが習慣になっていました。
そういう環境だったので、転職した後にまず皆が挨拶し会う環境に逆に驚いてしまいました。
他の経営者とお話しする際にも、大企業にいたときには感じれなかった人の温かみを感じれることが多いです。
従業員が一歯車のようだった大企業と違い、自分自身が会社を代表しているので、人に対する配慮は欠かせません。
それに、皆世界を相手にするのではなく、地域を相手に仕事をしているので、気持ちにも余裕があるのだと思います。
デメリットを補う努力
収入の分散
零細企業は自分の裁量で仕事をしたい人や独立を考えている人にとっては、大企業よりも良い環境と言えます。
ただ、デメリットはあるので補う工夫は必要です。
まず、給料は一般的にはどうしても大企業よりも低くなります。
会社によってもポジションによっても異なりますけどね。
今の時代、副業を解禁している会社も多いので、積極的に着手するようにしましょう。
私は幸い家業の調子が良いのですが、それでも零細企業ゆえの不安はあるので、副業として執筆やコンサルの仕事をしています。
収入を分散するようにしましょう。
学びの機会をつくる
大企業は社内の研修がありますが、零細企業ではそのようなものはありません。
自分で学びの機会をつくる必要があります。
自分の仕事にプラスになる研修やセミナーがあるか? ネットなどで随時調べるようにしましょう。
私は地方に住んでいますが、たまに東京にわざわざ出向いてまで研修・セミナーを受けるようにしています。
まとめ
零細企業で働くことには、実はメリットがたくさんあります。
●組織がどう回っているか、社会がどう回っているかが分かる
●自分の頑張りが業績に繋がっていることが分かる
●歯車ではなく唯一無二の存在になれる可能性がある
●周りに経営者が増える
●大企業よりも独立に繋がりやすい
●政治的な気遣いが少なくて済む
●大企業よりも人の温かみを感じられる
自分にとってどのような環境が合っているか? よく考えて選択をしていただきたいです。
私は自分には、たまたま零細企業が合っていたのでそこを選びました。
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