サラリーマンと自営業者を比較、その違いとは?

サラリーマンと自営業者ってどう違うんですか?

詳しく知りたいです。

こういった疑問↑ にお答えします。

私は8年間大企業(メーカー)でエンジニアとして勤務した後に、辞めて現在は家業を営んでいます。

RYO
サラリーマンと自営業者、両方の世界を経験して来ました!

サラリーマンと自営業者はそれぞれ、以下のように定義できるでしょう。

●組織の一員として働くサラリーマン
●自分で事業を営む自営業者

サラリーマンも自営業者も働いているという点では同じですがが、置かれている立場は全然違います

この記事では、両者の違いについてお話しさせて頂きます。

サラリーマンと自営業者の比較をして、違いを知りたい方は必見です!

サラリーマンと自営業者の仕事の違い

サラリーマンと自営業者の仕事の違い

やりがい

仕事のやりがいという点では、サラリーマンよりも自営業者の方が高い場合が多いです。

サラリーマン

サラリーマンは、仕事は上司からの指示に従って行います。

零細企業であれば個人の裁量を発揮できる余地はありますが、会社が大きくなるほど個人の裁量でできることは限られてきます。

サラリーマンである限りは、自分の思いを100%仕事に反映させることは無理なので、そこは諦めた方が良いです。

従うべき組織の方針が必ずあるからです。

例えば、極論ではありますが自動車メーカーのエンジニアが、新規で航空機事業を立ち上げたいという思いを持ったとしても実現できません。

制約がある中で、いかに自分の思いを仕事に反映させることができるか、がサラリーマンが仕事を楽しむ鍵になると言えます。

個々人の仕事の成果は、全て会社に吸い上げられます。会社が成果を出すための環境を整えているという理屈があるからです。

会社のために働いた対価として、毎月ほぼ一定額の給料を貰います

しかし、個人の頑張りがそのまま給料に反映されるとは限りません。

働きほどの給料を貰えない人もいますし、逆に働き以上の給料を貰っている人もおり、平準化される傾向があります。

基本的には守られており、例え成果を出せなかったとしても毎月給料を貰えるという点が、サラリーマンのメリットと言えるでしょう。

ただ、成果を出した場合に、それを自分に反映させることができないのはデメリットです。

自営業者

一方で自営業者は、やることが全てが自分のためになります。

自分の取り分を増やすためには、自分が経営を頑張って売上を上げるしかありません。

戦略の立案から実行までをすべて自分で行えることは、大変なやりがいがあることでしょう。

100%自分の裁量を発揮できます。

また、時間の融通を効かせることもできるのも大きなメリットです。

平日昼間でも自分で時間を調整して、プライベートな予定を入れることもできます。

ただ、その一方で成果を出せなかったときは売上が立たないので、自分の収入が減ります。

例えば、病気で働けなかいときなど、その期間売上がゼロになってしまうことだってあるわけです。

全てが自分に帰属するので自由や裁量がある代わりに、何があっても誰のせいにもできないし全てが自分の責任になるということです。

いかにリスクを減らすことができるかが、自営業者が仕事を楽しむ鍵になると言えるでしょう。

リスク

サラリーマン

先にも書いたように、サラリーマンは会社の売上が高い月も低い月も、一定額の給料を貰えます。

安定していることが最大のメリットと言えるでしょう。

一方でリスクは自分のキャリアを思うように積めず、また成果を自分に帰属させることができないため、会社を一歩出たら何も残らなくなってしまうことでしょう。

大企業の中でバリバリ仕事して活躍していた人が、会社を一歩出たら何もできない、ということはあることです。

会社にいるときは組織という大きな後ろ盾がある上で仕事が成り立っていることを、自分の実力と勘違いしてしまうのです。

組織の中にいるからこそ成り立っていることがあることを忘れてはダメで、独立しようと思ったら組織とは関係のないところで実力を身に付けるべきです。

自営業者

自営業者は事業の調子が良いときは、自分の収入をダイレクトに増やすことができることがメリットです。

一方で、事業の調子が悪い時は、それに応じて当然収入も少なくなります。

売上が安定するとは限らないので、サラリーマンと比べて食いっぱぐれるリスクは高いです。

また、個人で事業を行うため、法人と比べて信用されにくかったり仕事を取りにくいことはあり得ます。

(法人でないとほぼ仕事を取れない業種もあります。)

従業員を雇っていなかったり自分一人にしかできない仕事がたくさんある場合は、自分が怪我や病気で働けない期間は売上がゼロになってしまいます。

明らかに守られていません。

このように、規模が小さく後ろ盾がないがゆえに背負うリスクはあります。

駅の構内

仕事上重視されるもの

サラリーマン

サラリーマンにとって、仕事上重視されるものは協調性、忍耐力など、組織の中で上手くやっていく能力です。

いつでも自分の意見を押し通そうとしたり、上司の言うことに真っ向から逆らったりすることは好まれません。

組織というのは仕組みで回っています。会社が大きければ大きいほどその傾向が強いです。

その仕組みの中で歯車として働いてくれる人間が必要とされるのです。

自営業者

自営業者に求められるものはサラリーマンと全然違い、営業力、セルフブランディング力、マーケティング力などになります。

営業力というのは、サラリーマンの営業職の営業とは少し違い、自分の事業そのものを売り込む力になります。

そのためには、競合の分析を行えるマーケティング力や自分自身を売り込めるセルフブランディング力が必要となります。

仕事を獲って売り上げを上げれるかどうか? は自営業者にとっての生命線ですので。

税金・年金

サラリーマン

会社で働くサラリーマンの場合、税金は毎月給料から天引き(源泉徴収)されて、会社がそれを税務署に納めてくれます。

そして、12月には年末調整があり会社に必要な資料(生命保険料の控除証明書など)を提出すれば、後は会社が1年間の所得税を計算して納めてくれます。

基本的には自分自身で確定申告をする必要はありません

また、社会保険(厚生年金保険、健康保険)に加入できることは大きなメリットです。

本人が加入すれば、扶養に入れた家族もその恩恵を受けることができます。

健康保険は配偶者、子供(親)が扶養に入ることで、本人だけでなく家族が病気したときにも病院での支払の負担が減ります。

厚生年金保険は配偶者が扶養に入ることで、本人だけでなく配偶者も老後に年金が貰えます。

また、社会保険料(厚生年金保険料、健康保険料)も税金と同じく会社が毎月の給料から天引きして納めてくれるので、本人は何もしなくてもよいです。

自営業者

自営業者は、1年間(1/1 ~ 12/31)の事業の結果をもって、自分で確定申告をして所得税額を計算しなければなりません。

確定申告

そのためには、日々しっかりと経理をやる必要があります。

サラリーマンと違いこういう作業↑ があるのが大きな負担になる場合もあります。

また、自営業者は国民年金保険、国民健康保険にしか加入できません。

国民年金保険は月の支払額が決まっています。厚生年金保険と比べて、将来貰える年金の額は少ないです。

ですので、自営業者は他にも例えば小規模企業共済などに加入して老後に備えた方が良いでしょう。

国民健康保険は世帯主が家族分をまとめて支払うことになります。

健康保険と受けれる恩恵(病院での支払いの負担減少)は変わりませんが、市町村に支払う保険料が高いです。

また、所得が大きい人ほど保険料の負担が大きくなります。

サラリーマンと自営業者のプライベートの違い

サラリーマンと自営業者のプライベートの違い

仕事と私生活の境界

サラリーマンは平日(月~金)は働いて、土日はバリっと休む人が多いです。

一方で自営業者は自分で働く時間を決めれるが故に、土日も仕事をしている人が多いです。

すべてが当てはまるわけではありませんが、

●公私が別れているサラリーマン
●公私混同の自営業者

というイメージで大きくは間違っていません。

平日の行動

サラリーマンは平日の勤務時間中は拘束されています。

会社の仕事に関係ないことをやってはいけません。

市役所のように平日しかやっていない場所に用があるときや、子供の運動会のような平日のイベントに出るためには、有給休暇を取って行くしかありません。

一方で自営業者は、平日に仕事を抜け出すのは簡単です。

用があるときに自由に抜けることができて、融通が効くのは強みです。

まとめ

●組織の一員として働くサラリーマン
●自分で事業を営む自営業者

サラリーマンと自営業者は仕事・プライベートともに違います。

サラリーマンは、組織のために身を粉にして働く代わりに安定した給料を貰えます。

自営業者は、仕事で自分の裁量を思い切り発揮できる代わりに安定が保証されていません。

サラリーマンであれば自営業者がうらやましく思えることがあり、

逆に自営業者であればサラリーマンがうらやましく思えることがあるように

どちらにもメリット、デメリットがあるのです。