最近、就活後に配活(ハイカツ)を行う学生が増えているというはなしが記憶に新しいです。
配活(ハイカツ)とは配属活動を略したもので、内定が決まった学生が入社後に自分の希望する配属先に行けるように、その部署や人事部にアピールすることです。
私も以前に記事を書かせて頂きました。
今は若い世代の人数が少なく、就活は売り手市場です。
企業は若い人を集めるのに必死なので、学生の要望にできる限り応えようとします。
配活(ハイカツ)は、それゆえ成り立つことと言えるでしょう。
さて、配活は希望に満ちた行為で大事だと思いますが、会社を好きな気持ちはもっと大事だと思っています。
その理由をお話しさせて頂きます。
目次
就活後の配活(ハイカツ)より会社を好きな気持ちはもっと大事
なぜ、会社を好きな気持ちが配活以上に大事か? というと、入社後に配属が希望通りになったとしても、その後に自分の希望通りにならないことは山ほどあるからです。
そして、そういうときに支えになるのは、会社を好きな気持ちだからです。
私自身は8年間大手メーカーに勤めた末に辞めて、家業を継ぎました。
私の場合は、入社後の配属は運良くほぼ希望通りになったのに、それでも辞めました。
色々なことがあり、大企業でサラリーマンをやることが嫌になったからです。
今思えば、結局それほど会社のことを好きではなかったのかも知れません。
もしあなたがずっと働き続けるつもりで会社を選んだのであれば、会社を好きな気持ちはすごく大事だと思うのです。
入社後にキャリアの希望が叶わないとき支えになるのは会社を好きな気持ち
私が新卒で社会人になったときは、今の20代の方々は想像がつかないくらいの就職氷河期でした。
企業は採用数を絞り、完全に買い手市場でした。
私は大手メーカーに技術系の総合職で入社できましたが、前後数年で採用人数は一番少なかったです。
当時は会社に入った後に希望する部署に配属されるかどうか? は完全に運、という認識でした。
就職活動中のあるとき、大学院の同じ研究室にいた同級生と話していました。
やりたいこと無いの?
でも、もしその希望が通ったとしても、その後に部署変わったりもするわけでしょ。
自分が望まんことやることになったときに納得できるかどうかってさぁ
結局その会社が好きかどうかじゃん。
オレは〇〇社の理念と社風が好きだよ! だから、〇〇社に行きたい!
いゃ〜、こいつ同級生ながら凄いなぁ! って思いました。
彼は希望した会社に内定し、10年以上経った現在も働き続けているようです。
会社で勤め続けるなら無駄な仕事はない
私自身が会社を辞めた理由は、大企業の昇進の制度が嫌などの理由でした。
仕事そのものは嫌ではありませんでした。
だからこそ分かるのですが、どんな部署の仕事でもその会社でやっていく上では無駄なことはありません。
技術者の仕事でも、色々な種類があり部署が変わることも普通にあり得ます。
ですので、色んなことに興味を持ち、あまりストライクゾーンを狭めない方がいいと思います。
入社後に自分の意思で部署を移れる可能性、社内ローテーション制度・FA制度
会社にもよりますが、入社後に自分の意思で部署を移れる可能性もあります。
私がいたメーカーでは、社内ローテーション、FA制度がありました。
社内ローテーション
従業員が部署を異動する理由は、基本的には会社都合です。
部署で人材が必要ならば部長が獲得するように人事部に働きかけますし、場合によっては役員がどこの部署からどこの部署へ一人人材を動かせ! と指示するような場合もあります。
しかし、それ以外に社内ローテーションという、定期的(3年に一度)に人を入れ替えることで人材育成を図ることが目的の制度がありました。
部署間で人材をローテーションする制度です。
3部署間でローテーションする場合もあり得ます。
誰がローテーションで部署を出るかは、部長が決めます。
一従業員は「部署から出たい」という希望は出せても、異動先の希望まではなかなか通りません。
部署対部署で話しができていなければならないからです。
さてそのような中、私の当時の先輩はこの社内ローテーションを上手く使って自分が希望する部署への異動を果たしました。
その人は、新人時代の配属先が希望通りの部署になったけれども、いざ会社生活が始まったら他の部署の方が良く感じたようで、会うたびに部署を移りたいと言っていました。
そして、部署異動を狙い、5年間かけて異動を果たしたのです。
どのようにそれを達成したかというと、端的に言えば自分が移りたい部署の部長の目に留まるように動いたということです。
その部署の部長は同じ大学の何十年か先輩だったので、社内で大学の OB会があるときに参加して立食パーティで話しに行ったり
その部署との飲み会があるときにも参加して、積極的にコミュニケーションをとるようにしたようです。
(ぺーぺーが部長と話すのってけっこう大変なのですけどね。)
そして、会話の中でその部署の製品開発をやりたいことを伝えていたようです。
部長も「じゃあうちに来る?」と最初は冗談まじりで言っていたようですが、だんだん本気度が伝わって本当に来てほしくなったのでしょうね。
その人が入社後5年目のときに部長同士で話しが進み、念願の部署に移っていきました。
まぁ、配活の入社後バージョンみたいなものですかね。
ただ、その人は一番最初の部署でお土産になるようなスキルを身に付けていました。それをもって、異動後に何ができるかをアピールしたようです。
最初の部署が思っいたのと違ったから、と言って腐っていたら異動は叶わなかったでしょう。
FA制度
他にも FA制度というものがありました。
人材を希望する部署が社内公募という形で、社内ネットで募集を図るのです。
そして、従業員は上司に相談せずに社内公募に申し込むことができます。
どうしても行きたい部署があれば、その部署の社内公募が出るのを待つのも手でしょう。
公募したら希望する部署と面接が行われ、そこで認められれば異動確定となります。
現在いる部署も引き留めることはできません。そういう制度だからです。
私がいた部署に、FA制度で移ってきた人がいました。
その人は会社に中途入社しており、私がいた部署で担当した製品と同じものを元の会社で担当していました。
転職前の経験と入社後の経験の両方を活かせることをアピールしたようですね。
入社後の頑張りが無ければ、やはり異動は果たせなかったでしょう。
まとめ
会社に入った後は、例え配属先が上手く行っても会社都合で部署を動かされることがあります。
そうなったら否応なしに従わなければなりません。
ですので、ずっと会社にいる以上は何が来ても良いつもりでいた方が良いと思うのです。
会社の基本理念や社風が好きな気持ちが根底にあれば、何とかやっていけるのではないでしょうか。
また、社内ローテーション制度や FA制度もありますので、そういうものを上手く活用するのも有りでしょう。