こういった疑問をお持ちの方は多いと思います。
私は大手メーカーで8年間、エンジニア(技術者)として勤務した経験があります。
自分は英語を話せるようになりたかったので、学生時代に2年半英会話教室に通いました。
同期と比べて、入社前から英語の準備はできていた方だったと思います。
社内では、多くの人を見てきました。
さて、この記事では
●大手メーカーのエンジニアの仕事における英語力の必要性
●英語力を身に付けるメリット
についてお話ししたいと思います。
めちゃ高い英語力は必須ではないけど、できると仕事の幅が広がる
と言えます。
目次
大企業で必要な英語力、大手メーカーのエンジニア(技術者)の場合
大手メーカーのエンジニア(技術者)には、どれだけの英語力が必要か? お話しします。
私がいた部署は、自動車部品の開発・設計を行う部署でした。
日本国内のみではなく、海外の顧客へもサプライヤーとして製品提供していました。
グローバル展開しているメーカーでは、海外の顧客向けの製品を担当する場合もあるわけです。
その場合でも、日本国内にいるのであればめちゃくちゃ高い英語力は必要ありませんでした。
英語の能力は、読む、書く、聴く、話すがあり、個人的にはこの順番で難易度が上がっていくと思っています。
エンジニアは最低限の「読む」と「書く」ができなければなりません。
*なお、海外勤務する場合はできなければなりません。
英語を読む力
技術論文を読まなければならないことがたまにあります。
ネットで単語を調べながらでも読めれば良いのですが、染み付いているとすらすら読めるので効率的です。
他に英語を読むシーンと言えば、自社の海外拠点のローカルスタッフから送られてくるメールを読むことでしょうか。
ローカルスタッフは、当然こちらが読めるものとして送ってきます。
どうしても英語が苦手ならば、部署内に翻訳を担当してくれる派遣社員がいるはずなので、翻訳を頼んだ方が良いでしょう。
英語を書く力
書く力はどれくらい必要か? というと、海外拠点のローカルスタッフから送られてくるメールに返信できるぐらいです。
これも単語を調べながらでも何とか書けるぐらいで良いでしょう。
もちろん調べずとも書ける方が望ましいですが。
ただ、海外拠点に自部署の人間が出向している場合があるので、その場合はメールを送った後にその人に説明をお願いしておくと、英文がつたなくても安心です。
他にも、パワーポイントで英語の資料を作らなければならない場合もあります。
英語のメールを書くのと同じぐらいの難易度だと思います。
メールにしても資料にしても、自分で英語を書くのが難しければ、読む場合と同様に翻訳専門の派遣社員にお願いした方が良いでしょう。
若いうちからそこそこの英語力があることによるメリット
さて、冒頭でお話ししましたように私は会社に入る前からそこそこ英語を勉強していました。
やってきたことは
●TOEIC の勉強をする
●英会話教室のグループレッスンを受ける
●海外ひとり旅をする
でした。
自分の中で、英会話を習ったのと、実践としてタイやスイスにひとり旅に行ったのは大きかったと思っています。
TOEIC は勉強すれば点数が上がりますが、それだけでは話せるようにはなりません。
さて、英語が入社当時からできたことによるメリットをお話ししたいと思います。
他の若手と差別化できる
入社当時、同期で英語ができる人がそれほどいなかったので、それだけで「英語ができるヤツ」と思ってもらえました。
歳が近い先輩にも、それほど英語が得意な人がいませんでした。
皆必要に迫られるまで勉強しないので、最初からできるとそれだけで差別化になります。
英語が必要なときに頼られる
先に書きましたように「英語ができるヤツ」と思われると、ちょっとしたことでも英語が必要な場合に頼ってもらえます。
例えば、海外拠点のローカルスタッフから稀に電話がかかってきたときの応対。
海外拠点のローカルスタッフが教育で日本に来たときの指導係。
ちょっとしたことでも、頼ってもらえるのは良いことです。
大舞台に立つチャンスが与えられる
あと、年齢のわりに大舞台に立つチャンスが与えられることがあります。
私は、入社3年目のときに、海外の顧客のメーカーの技術顧問(かなり偉い人)の前でプレゼンする機会を与えられました。
英語のパワーポイント資料を自分で作り、自分で説明し受け答えしました(上司にフォローはしてもらいました)。
その場にいた社内の人間は、私以外は皆偉い人でした。
当時、入社3年目でこれだけのことをやらせてもらえることはなかなかありませんでした。
こういう場でプレゼンすると、社内の他の人の目にとまったりもします。
数年後にその場にいた他部署の次長に「あ、あの時プレゼンしてたよね?」って言われたことがあります。
ワンシーンを覚えてて頂き光栄でした!
私の入社時の TOEIC の点数
さて、私の入社時の TOEIC の点数を公開します。
入社直後に新人が社内で受験させられたので、同期のグレード分布も分かります。
ただ、2004年当時なので、今とは試験の傾向が若干違うかも知れません。
ですので、同期の中での位置付けという意味で参考にして頂ければと思います。
●合計点は 705点
●グレードは B
同期 257人の中でだいたい上位10%というところでした。
まぁ、上には上がいますが、入社当時の同期の中ではけっこう良い方だったと思います。
ただ、TOEIC の点数が良くても英語がしゃべれるようにはなりません。
TOEIC は「読む」「聴く」の2つを試す試験です。
英語をしゃべる練習は、先にも書きましたように英会話教室で行いました。
しゃべる練習はしゃべることでしかできません。
問題集を解いていてもダメです。
海外勤務と英語力
海外勤務した人は皆英語力が身に付いている
さて、海外勤務をする場合は英語は避けて通れません。
1つ言えることは、海外勤務した人は皆英語がしゃべれるようになっているということです。
元々英語が得意というわけではなかった人が、必要に迫られて勉強し、実際に現地でローカルスタッフや顧客を相手に実践を積んで話せるようになって行くのです。
英語がしゃべれるようになるためには、いかに環境が大事か! ということです。
先に話しましたように、私は学生の頃に何回か海外にひとり旅をしたことがあります。
その間は英語漬けの日々を送りましたので、頭の中で何か考えるときも日本語ではなく英語で考えるようになったのです。
海外の拠点では当然、毎日英語漬けです。
英語が苦手なんて言ってられません。現地では3歳の子でも英語を話しているのです。
ですので、英語はしゃべらざるを得ない状況になれば、嫌でも勉強・実践するのでしゃべれるようになると考えて間違いありません。
海外勤務をするのはどのような人か?
さて、海外勤務はどのような人がすることになるのか? という点について少々お話しをしたいと思います。
海外勤務を命じられる人は、その時点で英語ができる人とは限りません。
あくまで、部署が拠点に送り込みたい人が行かされます。
ではどういう人材か? というと、「自部署と海外拠点の間を上手く調整できそうな人」ということになります。
調整能力、つまり上手く立ち回る力を重視して決められます。
端的に言えばコミュニケーション能力の高い人です。
その時点で英語ができるかどうかはそれほど重要視されません。
英語というのは、あくまでコミュニケーションのスキルに過ぎないからです。
コミュニケーション能力が高い人であれば、環境に慣れるのも早いですし、ローカルスタッフ相手でも物怖じしません。
それに、何とかして仕事をしようとします。
英語力は出世に関係するか?
さて、次に英語力は出世に関係あるか?
という点についてお話しします。
私がいた会社では係長、課長、次長、部長と役職に就くために
TOEIC でクリアしなければならない最低限の点数がありました。
ただし、どの役職でもそれほど高い点数は必要ありませんでした。
課長で最低 500点くらいだったと記憶しています。
さて、では英語ができると出世に有利か? と聞かれればそういうことはありません。
もちろん役職に就くための最低点はクリアしている必要があります。
しかし、例えば係長になるために必要な最低点が 400点だとした場合に
2人の係長候補者
●A さんの点数が 405点
●B さんの点数が 830点
だったとします。
この場合 Bさんの方が点数が高いからといって出世に有利に作用することはありません。
見られるのは、AさんもBさんも最低点をクリアしているという点だけです。
出世に関係するところは、もっと違うところです。
一言で言えばコミュニケーション能力が高くて、偉い人に気に入られる人
が出世しやすいです。
その点については、こちらの記事を参考にして頂ければと思います ↓
まとめ
●英語力を身に付けるとどんなメリットがあるのか?
ということについてお話しさせて頂きました。
元大手メーカーのエンジニアとしての視点にはなりますが、
めちゃ高い英語力は必須ではないけど、できると仕事の幅が広がる
という感じでした。
大舞台に立つなどのメリットを受けることができました。
英語力を身に付けるとどんなメリットがあるの?