零細企業で社長になる人の条件

零細企業では、どんな人が社長になるんですか?

社長になる条件はあるんですか?

こういった疑問↑ にお答えします。

私は、仕事で多くの零細企業と関わるので、零細企業の内部事情をよく知っています。

さて、従業員が数人の零細企業では中間管理職など無いので、出世と言うと社長になること・役員になることを意味します。

この記事では、零細企業で社長になる人、いわゆる後継者とはどういう人なのか? ということについてお話しします。

零細企業で社長になる人の条件

零細企業で社長になる人は世襲が多い

社長になる人は世襲が多い

零細企業は一族経営の会社が多いです。

そして、一族経営の会社の場合、社長の子供が従業員の中にいて、次の社長になることが決まっているケースが非常に多いです。

都会よりも地方ほどそういう傾向が強いように思います。

高校または大学を卒業して、そのまま親が経営している会社に入社してずっとそこで働いているという人もいます。

また、古株の従業員が何人もいる会社で、外で働いていた社長の息子が帰ってきて、次期社長として入社してくるということもあります。

その場合、その時点で残念ながら古株の従業員が社長になれる可能性がほぼ無くなってしまうわけですね。

役員も一族で固めていることがほとんどです。

例えば

・代表取締役(社長) 自分
・取締役 父親
・取締役 母親

のように、経営に関わる人が全て身内という会社が多いです。

一族経営の会社で、外部から来た一般の従業員が経営できる立場に立つのはかなり難しいと思います。

大企業にあるような競争原理はそこにはありません。

次の社長は世襲で決まっているのです。

息子が戻ってくることになり社長になれなくなった人

さて、一族経営に絡めて1つ自分が知っているお話しをしたいと思います。

ある料理店を経営している会社の社長が、自分の子供は皆外に出ていていないので、引退後はそこで働く料理職人を後継者にするつもりでいました。

息子が戻ってくることになり社長になれなくなった人

ところが、それが決まった後に東京に出ていた社長の息子が、家業を継ぎたいと言い出したのです。

社長も息子が継いでくれるならやってもらいたいと思い職人を説得しようとしますが、既に後任を任されてやる気満々だった職人は納得できるわけがありません。

何十年も務めて、いよいよ自分の店を持つチャンスが与えられたという時になって、パッと出てきた息子にそれを取られるのは納得がいかないでしょう。

ほどなくして、息子は地元に戻ってきました。

散々もめた挙句、暖簾分けという形で店舗を2つにしたということです。

完全に覆されたわけではないですけれど、後継者になることが決まっていた場合でも、パッと変えられかねないものなのです。

それだけ、世襲というのは強いのです。

婿であるが故に会社を継げなかった人

ある人(Aさんとします)は、製造業の社長の娘と結婚し、その会社で働いていました。

婿入りする形になったのです。

社長の娘も同じ会社にいたので、夫婦で父親を支えていたことになります。

そして、Aさんは勤め始めて20年経った頃に役員に任命されました。取締役ですね。

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普通に考えたら、次期社長になるレールの上に乗っていると思うじゃないですか?

社長には息子がいました。

Aさんの妻の弟に当たる人ですね。Aさんから見たら義理の弟になります。

社長としては、完全に血が繋がっている人に跡を継いでほしいと思ったのでしょうね。

家を出て証券マンをやっている息子に、戻ってきてくれないか? と声をかけたのです。

時代も少し昔ですが、婿という立場は弱いところもあるのでしょうね。

結局、Aさんの義弟が地元に戻ってきて、次の社長になることが決まりました。

何十年も社長の片腕として支えて来たのに、戻ってきたばかりの義弟に社長のポジションを取られてしまうというのも、納得できないでしょうね。

これも世襲ですよね。

零細企業で一族以外が後継者になる場合

零細企業で一族以外が後継者になる場合

後継者となる一族がいない場合

後継者となる一族が全くいない場合もあります。

創業当初から一族経営ではない会社はもとより、社長としては一族の誰かを後継者にしたいけれどやってくれる人がいない場合もあるわけです。

私の知人の会社の社長は、娘が2人いるけれども2人とも結婚して遠くに出て行ってしまっており、身内を後継者にすることができなかったので、仕方なく従業員を後継者として社長にしました。

会社の株は全て、その人(元の社長)が持ったままです。

従業員時代に自分に忠実で、引退後も自分に良くしてくれそうな人を選んだようです。

家族であれば、そもそも身内なのでそのような関係は得られやすいのですが、身内以外を社長にするとなるとやはり慎重に人を選ぶ人が多いです。

ですので、一族以外が社長になれるチャンスがある会社で、社長になりたいのであれば、やはり社長に相当に気に入られなければいけません

誰だって

・自分に忠実な人
・自分に良くしてくれそうな人

を選び出すのです。

特に創業者ほどそういう傾向が強いように思います。

あくまで私一人が受けている印象ではありますが、創業者は会社を創業するぐらいだから自分を持っており、自分の意思で経営をしてきた人です。

人のタイプによっても違いますが、後継者として自分とは違い忠実な人を選び出す人が多い印象を受けます。

自分が社長を退いた後も自分に良くしてくれそうな人をです。

もちろん、後進の育成が大好きで実力重視で人を選ぶ人だっていますけどね。

繋ぎの社長になる場合

一族の中に社長にしたい人がいるけれども、若いあるいは経験不足のためもう少し経験を積ませてからにしたい場合もあります。

そのような場合に、その人が社長に就くまでの間の繋ぎ役として一族以外で社長になる人もいます。

元の社長は会長に退いて、やはり株(株主総会の議決権)は持ったままにしています。

株を持たないと実質的な決定権は無いのと同じ

先に少し株のことを書きました。

一人の人間が会社の株の50%超持っていれば、その人が株主総会で取締役(社長を含む)の選任・解任を決議できます。

零細企業では社長が全ての株を持っている場合が多いのですが、そうでない場合もあります。

先の例のように一時的に親族外の人に社長を任せるような場合だと、株はあくまで一族の人が持っていていつでも社長を交代できるようにしておくのです。

言い換えれば、社長であっても会社の株を持っていなければ実質的な決定権が無いのと同じなのです。

階段

まとめ

零細企業で社長になる人の多くは世襲によるものです。

一族経営でない会社の場合は社長に相当に気に入られる必要があります

上に気に入られなければならないことは大企業と変わりありませんが、大企業のように昇進制度がしっかりしているわけではありません。

多くの会社には人事部があるわけでもないので、社長の一存で全てが決まると言っていいでしょう。

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